| 1.日時 平成11年8月28日(土) 13:30~16:35 2.場所 青森県教育会館4階「はくちょうの間」(青森市橋本1-2-25) 3.参加者 (◎は議事進行役) (1) パネリスト(6名、*印は公募による) 石川 はじめ *医師 (2) 原子力委員会専門委員(4名)
(3) コーディネーター ◎土屋 佳子 フリーアナウンサー (4) 事務局 青山 伸 科学技術庁原子力局廃棄物政策課長 (5) 一般参加者 157人(応募236名、うち当選者202名) (6) 報道関係者 14社(19名) 4.議事
5.配布資料
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| 6.議事内容 |
(青木)
それでは定刻になりましたので、ただ今から第5回放射性廃棄物シンポジウムを開会いたします。私は、事務局を担当させていただきます科学技術庁廃棄
物政策課の青木と申します。本日は皆様方におかれましては、ご出席を賜り本当に有難うございます。どうぞよろしくお願いいたします。恐縮でございますが、
座って進行させていただきます。
さて近年、いわゆるゴミの問題への関心が大きな高まりを見せております。一口にゴミと申しましても、家庭ゴミから産業廃棄物にいたるまでさまざまな
形態がございます。このうち、原子力の利用に伴い発生いたしますのが本日のテーマであります放射性廃棄物です。原子力につきましては、ご案内のとおり発電
をはじめ、医療への応用や大学での研究など、幅広い分野でさまざな活用がなされております。それに伴いまして、放射性廃棄物が発生します。この放射性廃棄
物をどうするかということについて、国においては、原子力委員会のもとに設置されております、高レベル放射性廃棄物処分懇談会と原子力バックエンド対策専
門部会におきまして、調査審議が進められてきており、これまでにいくつかのご報告がされているところであります。
これらの中で放射性廃棄物の処分に取り組むにあたりましては、国民の皆様のご理解を得ることが何より重要であるとのご指摘をいただいております。例
えば、昨年5月に高レベル放射性廃棄物処分懇談会の報告を取りまとめるにあたりまして、広く国民の皆様からご意見をお伺いするため、札幌、仙台、東京、名
古屋、大阪、福岡で意見交換会を開催させていただきました。そうした場におきましても、引き続き情報交換の場、また、意見交換会の場を設けることの重要性
が指摘されたところであります。
こうしたご提言、ご意見を踏まえまして、放射性廃棄物処分の問題について、国民の皆様にご関心を持っていただきますとともに、お考えいただく場を設けるべく、こうしたシンポジウムを開催することとなった次第であります。
シンポジウムは、広く全国的に開催することとしておりまして、これまで静岡、京都、福島、広島で開催してまいりました。今回のご当地青森での開催が
5回目となります。本日は、パネリストはもとより、ご参加いただきました皆様方全員で忌憚のないご議論を賜りたいと考えておりますので、よろしくお願い申
し上げます。
それでは、本日のコーディネーターをご紹介させていただきます。本日のコーディネーターは、土屋佳子さんにお願いしております。土屋さんは、テレビ
局のアナウンサーを経て、現在、フリーのアナウンサーとして、ニュースキャスター、また、さまざまな分野のリポーター、インタビュアーとして、幅広くご活
躍でございます。それでは土屋さん、よろしくお願いいたします。
(土屋)
本日のコーディネーターを務めさせていただきます土屋佳子と申します。よろしくお願い申し上げます。
私があらためて申し上げるまでもなく、ご当地青森県には、六ヶ所村に日本原燃の原子燃料サイクル施設がございますが、地元ということで、皆様方には
大変ご関心を持ってこの問題をみていただいているかと思います。今回もこのシンポジウムに関して、236名の応募をいただきました。会場の都合などもあ
り、厳正に抽選をさせていただきまして、202名の方々に、いらして下さいというご連絡を申し上げまして、先ほど1時20分の時点で145名の方、その後
も入場される方があり、現在150名くらいの方々にいらしていただいていると思います。本当にたくさんの方々にいらしていただいて有り難く思っておりま
す。
このシンポジウムの趣旨ですが、現に放射性廃棄物があるということを知っていただくこと、そしてその廃棄物をどうするのかということについて、幅広く意見を交換することです。
ですので、ここでは、原子力発電を今後どうするのかという議論はいたしません。また、この場で意見の集約を行ったり、結論を出すということはいたしません。
私たちが消費した電気や、医療などでの放射線の利用から出るゴミをどうするのか、廃棄物をどうするのかということについて皆さんから意見をいただき、一緒に考えていきたいと思います。ご了承下さい。
それでは、本日ご出席の方々をご紹介いたします。本日は、パネリストの方が6人、うち2人が公募でお越し下さいました。そして原子力委員会の専門委員の方が4人です。
では、私の隣からご紹介させていただきます。まず、高レベル放射性廃棄物処分懇談会委員で、弁護士の石橋忠雄さんです。
続きまして、原子力バックエンド対策専門部会委員で財団法人環境科学技術研究所専務理事の大桃洋一郎さんです。
続きまして、パネリストの方6人です。まず公募でお越し下さいました、医師の石川はじめさんです。
続きまして、デーリー東北新聞社論説委員の江波戸宏さんです。
お隣が、東北電力株式会社常務取締役の須藤豊さんです。
次に元青森県医師会会長で、公募でお見えになった対馬秀雄さんです。
続きまして、元南津軽郡浪岡町長の平野良一さんです。
そして、日本原燃株式会社専務取締役の山下博さんです。
お隣の方です。原子力バックエンド対策専門部会委員で京都大学大学院エネルギー科学研究科教授の神田啓治さんです。
そして、原子力バックエンド対策専門部会委員で常葉学園富士短期大学長の徳山明さんです。
さて、本日は、会場に一般参加者として今確認されているところで156名のご出席をいただいております。後ほど会場の方のご意見をいただく時間を設
けてございます。また、あらかじめご意見を記入いただける方は、お手もとにお配りしてあります記入用紙にご記入いただき、休憩時間中に回収箱にお持ちいた
だければ、皆さんのご意見もご紹介させていただきまして、会場全体でこの問題について、議論を深めていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
それではまず、科学技術庁から放射性廃棄物処分への取り組みについて、簡単に説明をお願いしましょう。
廃棄物政策課長の青山さん、お願いいたします。
(青山)
科学技術庁の青山です。これからわが国の原子力利用と放射性廃棄物の処理、処分について簡単にご紹介いたします。
まず、原子力発電についてですが、昭和40年、1965年に商業用の発電が始まりました。この30年余り、原子力発電は利用されています。人口の増
加に比べて、社会経済の活動は非常に飛躍的なペースで発展しています。これに伴い、現在、原子力発電はわが国の発電の36%を占めるほどになってきていま
す。東北地方では、昭和59年、1984年の6月に東北電力女川発電所1号機が運転を開始し、現在原子力が23%を賄っています。
また、こちらの青森県では、東通と大間で発電所の建設と準備が進められています。また、先ほども話がありましたけれど、六ヶ所村では原子燃料サイクル施設があり、わが国の原子力利用で重要な役割を担っています。大変ありがたいことです。
発電以外でも、原子力はさまざまなところで利用されています。医療ではがんの治療があります。千葉市にあります放射線医学総合研究所では、重粒子線
によるがん治療が行われています。左の真ん中には、ちょうど放射線治療の診察を受けている写真を映していますが、ここで使われている重粒子線といいますの
は、電子や陽子に比べて重い炭素、あるいは珪素などの原子を高速で飛ばしたものです。これは、身体の奥深いところまで届きます。今までなかなか治療が難し
かった腫瘍が治ることが確認されてきています。また、研究の分野では、加速器を用いた素粒子の研究、あるいは分析の研究があります。右上に黒く写っている
輪が見えますが、これはSPring-8と呼ばれている、非常に強い光を出す施設です。利用の分野では、生物実験、非破壊検査があります。調べたい物を傷
つけることなく調べるのです。工業のところに写っている写真では、フィルムの厚さを調べています。農業ではジャガイモの発芽防止に使われています。私達は
その恩恵に浴しているわけです。
そして、その利用からは当然、廃棄物、ゴミが出ます。このゴミには放射性物質を伴い放射性廃棄物と呼ばれているものが多くあります。医療分野で発生
する放射性廃棄物を見てみますと、医薬品の開発や製造、使用などで出て来る紙ですとか、手袋のような消耗品、あるいは器具、それから放射線をいろいろな医
療に使った場合でも、その放射線の源となる物質、あるいは放射線の発生装置そのものがあります。
放射性同位元素というのは、例えば酸素ですと、普通は放射線を出さないわけですけれども、その仲間には放射線を出すものもあります。これを放射性同
位元素と呼びますが、これを使ったり、あるいは放射線の発生装置を使っているところが、こちら青森県では50か所あります。全国で27番目の規模になりま
す。青森の人口というのは全国で28番目ですから、全国平均の少し上なのかなという感じがいたします。東北地方では、この放射性同位元素、あるいは放射性
物質を使った施設から、年間200リットルのドラム缶に換算して、600本程度の廃棄物が集められています。このうち医療で使われたものにつきましては、
岩手県の滝沢村にあります日本アイソトープ協会の施設に集められて処理、保管されています。
この放射性廃棄物の発生源というのは原子力発電、それからそれ以外の物というふうに、大きく分けられます。原子力発電では燃料の加工、実際の発電、
それから使った燃料の再処理、といった各段階でゴミが発生するわけですが、この再処理から出る物に「高レベル放射性廃棄物」と言われているものがありま
す。今12,600本分発生している勘定になります。ただ、実際にガラス固化体という形に処理されて貯蔵されているものが、現在国内に230本あります。
そのうち168本が六ヶ所村にあります。その他の低レベル放射性廃棄物として「ウラン廃棄物」、「発電所廃棄物」などがあります。それから、先ほど申し上
げました放射性同位元素の利用から出てくる廃棄物、いろいろな研究所で原子炉あるいは核燃料物質を扱う施設からでてくる「研究所等廃棄物」というような物
があるわけです。
こういう放射性廃棄物を安全に処分するためにはどうしたらいいのか、ということですけれども、少なくとも、人や人の生活している環境に影響を及ぼさない、
ということが原則です。方法は3つあります。一つは距離を取ること、つまり人の生活環境から遠ざけるということ、隔離ということです。さらに、放射線を遮
ること。さらに、放射線は時間とともに減ってきますから、これを待つということ。この3つ、距離を取ること、遮ること、減るのを待つ、ということです。
この3つの方法を踏まえると、人が放射性物質と直接接触することを防ぐということ、それから、放射性物質が生活環境に出て影響することを防ぐという
こと、この2つで生活環境から隔離することになります。具体的な方法や期間というのは、廃棄物の性質、つまり放射性物質の種類あるいは濃度により設定され
ます。
ただ、放射線というのは目に見えませんし、他にもいろいろ理由があり、大変不安に思われがちです。しかし、放射線の影響について啓蒙活動を進められ
てきましたラルフ・ラップ博士という方の言葉を借りますと、放射線は毒性のある物質のうちで、最も広く研究され、最もよく理解され、簡単に検知され、精密
に測定され、たやすく制御され、効果的に規制されるものと言われています。この放射線は地上にもあります。ところによって、その量にバラツキがあります。
例えば、ブラジルの一部の町では10という数字があります。世界の平均というのは、その下にあります2.4ということですので、これと一桁違う、約4倍の
数字になるわけです。
また航空機で旅行した場合、例えば、東京-ニューヨークの飛行でも放射線を浴びているわけです。また、医療の診断、胃のX線の検診、あるいは胸のX線の検診というところでも放射線を浴びるわけです。
このように、いろいろな放射線を浴びるわけですけれども、日常生活で受ける放射線に比べて、非常に高い放射線を一度に浴びると、当然、大きな影響が
でます。そこで、国際放射線防護委員会(ICRP)が、ALARAというものを勧告しています。As Low As Reasonably
Achievableということで、あらゆる線量を合理的に達成できる限り低く保つということです。線量を自然界の放射線に比べて十分に低いレベルにしよ
うということです。
このような、放射線を出す放射性物質が含まれます廃棄物のうち、高レベルのものについて少し見てみたいと思います。原子力発電ではウラン鉱石からウ
ラン燃料を作ります。それで発電するわけです。発電された後の燃料を再処理するのは、プルトニウム、ウランのようなもう一度使える物は再利用しましょう、
残った高レベル放射性廃棄物については処分しましょう、ということです。実際の原子力発電について、もう少し見ますと、ウランに中性子が当たると核分裂を
起す、これでエネルギーを出すと同時に、核分裂の生成物ができる、あるいは中性子が飛び出す、ということが起きています。しかも、この核分裂生成物の中に
は放射線を放出するものがあります。
この高レベルの放射性廃棄物というものは、非常に放射能レベルが高いわけです。今画面に、ガラス固化体に固化したものの例を出していますけれども、
固化後の時間を横軸にとりますと、初期の放射能は非常に高い、しかしそれは急激に減少していきます。ただ低い放射能が非常に長い間残ります。したがって、
長期間、人間の生活環境から隔離することが必要であることと、人間の管理を必要としない、隔離による処分方法が必要だ、ということになります。
さて、どのように処分していったらいいのかということは、これまでいろいろ考えられてまいりました。1つは、宇宙に放り出したらどうかということで
すけど、これはロケットの発射の信頼性という問題もございますし、またロケット技術をもつ少数の国に限定されるというようなこともあります。また、海洋底
に沈めてはどうかということがありますが、これは国際的にロンドン条約で禁止されております。あるいは、南極の氷の下に沈めてはどうかということですが、
これも南極条約で禁止されている。では長い間、人間が地上で管理していればいいじゃないかということも考えられるわけですが、これは、将来の世代にまで、
この廃棄物の監視の負担を負わせる、ということになります。このことについて特に敏感な国もあります。例えば、ドイツでは高レベルのみならず、低レベルの
廃棄物につきましても、地上では処分しないで、地下で処分しようと、地上は人間が利用するということがあるので、地下に処分しようというようなことが進め
られています。そのような中で、安定で、深い地層中に隔離しようというのが現在の基本的な考え方です。最も進歩した方法であり、他の方法と比較しても、最
も好ましい方法という評価がなされています。ちなみにわが国では、使用済燃料を再処理するところで高レベル廃棄物が発生していますが、使用済燃料を再処理
しないということであれば、使用済燃料自身が高レベル廃棄物となるわけであります。
それから、低レベル放射性廃棄物について見ていきたいと思います。これはやはり、高レベルと同じように、時間とともに低くなっていくわけですけれど
も、このレベルというのは実はいろいろあります。極めて低い物から、割合高い物まであるということで、その強さに応じて区分して、合理的に処分しましょ
う、ということです。人間が実際にこれを管理できる期間内に生活環境に出る影響を十分に低いところまで減衰するということを活用しています。放射能の強さ
で廃棄物を適切に区分して、生活環境への影響が十分に低いレベルになるまで人工バリア、天然バリア、制度的管理の3つで処分していこう、ということでござ
います。
この低レベル放射性廃棄物の処分方法ですけれども、「極めてレベルの低いもの」、「比較的レベルの低いもの」、「比較的レベルの高いもの」、という
3種類で、例えばコンクリートなど「極めて低いもの」は、素掘り処分をしましょう、あるいは比較的低いものは浅いところで、コンクリートの箱を作って処分
していきましょう、また、比較的高いものはもう少し深い、人間が普段使わない深さの地中に処分していきましょう、ということが考えられているわけでござい
ます。具体的に今、この浅地層、真中の欄にあったものは青森県の六ヶ所村の低レベル放射性廃棄物埋設センターで、これまで12万4,000本のドラム缶が
処分されているわけです。それから、もう少し低いもの、極めて低いものの例としては、日本原子力研究所、茨城県にございますけれども、こちらで、埋設の試
験が行われています。
こういう放射性廃棄物の処分の方策ですが、高レベル放射性廃棄物について言いますと、今、地層処分を基本として、安全規制については検討中とされて
いる。それから同じ再処理で出てきます超ウラン元素と呼ばれている、ウランより原子番号の大きな核種を含む廃棄物については、今、処分方策を検討いただい
ているところです。安全基準は今後の検討となります。ウランについては処分方策、安全規制とも今後検討という段階です。各々の廃棄物に応じて、検討が進め
られてきております。RI研究所などの廃棄物については、それぞれの区分に応じて処分していきましょう、ということで、現在、安全規制についての検討が進
められています。
高レベルのものについてもう一度、戻ってみたいと思うのですが、処分の事業については原子力委員会の処分懇談会で報告書をまとめていただき、総合エ
ネルギー調査会の原子力部会で制度化の検討が行われております。2000年には処分の事業を行う実施主体を設立する。それから、具体的に処分地の選定とい
う作業が始まって、2030年代から、遅くとも2040年代半ばまでには処分の操業を開始しようということになっています。当然、これには研究が必要と
なってきます。
技術的な問題について、現在「第二次取りまとめ」と言われている、2000年までの技術成果を取りまとめるという作業が進められています。地層処分
の技術的な信頼性の明示、それから、処分予定地の選定、安全確保の要件の明示、技術的な拠り所を示すということが求められておりますので、今、関係機関で
鋭意研究開発とその取りまとめが進められているところです。
今後、その信頼性の検証、あるいは安全評価の手法の確立、それから地下の実際の研究所を用いて、体系的に調査、技術の確立などを進めていくという見
通しでございます。こういうことを基に、安全規制という観点では、現在、原子力安全委員会の廃棄物規制専門部会で検討が進められ、安全確保の基本的な考え
方の取りまとめの作業が進められています。これから安全基準、安全評価指針というものが策定されて、具体的な処分場の設置の安全審査とか、具体的な操業時
安全の確保ということが進められていく、ということでございます。先ほど日本にガラス固化体が今230本あると申し上げましたが、これにつきましては、現
在、冷却のために30年から50年貯蔵され、具体的な処分場が操業されれば、そこへ搬出されるという予定になっています。
これらの高レベルの放射性廃棄物、それから低レベルの放射性廃棄物、いずれにつきましても、発生させた廃棄物の処分につきましては、我々の世代が処
分に関する制度を確立するということが必要です。後世代に影響を及ぼす可能性のある廃棄物の処分について、次世代に負担を残さないというのが我々の責任と
考えています。具体的作業としましては、実施主体の設立、処分費用の確保などの体制整備、安全規制の制度の整備、それから具体的な研究の手段としての深地
層の研究施設の実現などを進めるということで、実際に、廃棄物の処分の事業が円滑、かつ安全に進められるということが必要です。もちろん、原子力の活動と
いうのは安全だけではだめで、安心していただかなければならないということです。我々といたしましては、この会場にお集まりになりました皆様をはじめ国民
の方に、この原子力の問題、廃棄物の問題について十分議論をいただき、ご理解をいただき、具体的な信頼を得られるような努力を進めて行かなければならない
というふうに考えております。この度の放射性廃棄物シンポジウムのような事業を進めているところでございます。
非常に駆け足で、かついろいろな分野にわたる原子力の廃棄物の問題について簡単にご紹介いたしましたけれども、是非、この機会を契機といたしまし
て、さらに皆様にいろいろお考えいただければと思います。よろしくお願いいたします。どうも有難うございました。
(土屋)
青山課長有難うございました。
それでは、お一人ずつご意見を伺ってまいりたいと思いますが、それぞれのご意見を明確にするために、途中で質問させていただく場合もありますのでご了承願います。
それでは、パネリストの方6人のご意見をお一人10分ずつということで伺ってまいりたいと思います。まず、公募でお越し下さいました医師の石川はじめさんからお願いします。石川さんどうぞ。
(石川)
私は、禁煙指導を専門の一つとしている医師でございます。命と健康を守る医師としての立場から、建物の中の煙と戦っております。屋内の煙であるタバ
コの問題も非常に深刻であるのですが、広範囲で影響を与える放射能汚染の問題は、医師として目をつむっておられない重大な問題の一つであると思っておりま
す。家の中の煙を一生懸命排除して、県民が健康を取り戻しても、ひとたび放射能漏れなどの事故が起これば、禁煙した人々の努力も、分煙対策に力を注いだ人
々の努力もみんな水の泡となるからです。
私は、放射性廃棄物の問題については、全く素人なのですが、本日は、原子力に安心していない県民の一人として素朴な疑問を投げかけてみたいと思います。
廃棄物処理に関しては、以下の疑問があります。
原子力発電を受け入れること。これは国策に協力して貢献すること。そのことで地域起しになれば、出稼ぎに行かなくても、家族が一緒に住める、そんな生活が
手にはいるかもしれない。原子力施設を受け入れるとき、そんな願いを私たち青森県民は持っていたのかもしれません。でも、この施設を受け入れることは貧し
さの解消にはなりませんでした。私たちの前に吊り下げられたのは、一見立派な人参に見えましたが、実は干からびた人参だったのではないでしょうか。六ヶ所
村の小学校は、汗が出るほどの暖房の設備を手に入れたかも知れません。
でも、青森県全体では、倒産や経済苦による自殺が相次いでいます。昨年は過去最悪となりました。昨年一年と今年上半期の自殺者は、540名、今年に入って6月末までに253名。原因は病苦が一位で196名、続いて経済生活問題で122名です。
何かあったら悲惨な結果が起こる施設のために、国策にしたがって、故郷の土地を提供した私たち青森県民は、本当に豊かな生活を手に入れることができたでしょうか。
私の叔父は下北半島で漁師をして、海を守るために原子力船「むつ」に反対し、原子力発電に反対しています。決して裕福ではありません。朝の4時から夜遅くまで身を粉にして働いても、ようやく一家が何とか暮らせる収入があるかないかです。
でも、その土地での漁業を守ること、暮しを守ることを誇りとして生きているのです。貧しいことは恥ずかしいことでしょうか。便利な生活以上に、犠牲にしてはいけない何かが、私たちにはあるのではないでしょうか。
「便所は必ず必要だ」とおっしゃった方がいると伺っています。便所に青森県が選ばれたとき、初めのうちは地質調査すら行われていなかったというの
が、私たち青森県民の間ではもっぱらの噂なのです。つまり、地質調査の上で青森県のこの場所が安全だと評価されて選ばれたのではなくて、臭いものには蓋を
しようという、首都圏から離れた場所、先ほど隔離という言葉がありましたが、そのような発想でのみ白羽の矢が立てられたのでないかと思います。少なくとも
地元民はそう考え、自分たちがまたもや軽く考えられていることを、内心あきらめに近い気持ちで受け止めているのだと思います。青森県に決まった後で、泥縄
式に風向きや地質の調査が行われたようですが、その結果ようやく事故が起きたとき、太平洋側の岩手県の小岩井牧場にまで被害が及ぶことが分かったのでし
た。
放射性廃棄物のゴミ捨て場が便所であるとすれば、便所は各家庭にあってしかるべきべきではないでしょうか。その昔、便所が離れにある頃には、その臭
い対策もおざなりでした。便所は家の中に作ってこそ、「きれいにしよう」、「臭いがないものにしよう」、「人の落ちない安全なものにしよう」と、研究も工
夫も進むのだと思います。
スイスでは、原発は東京と浦和の距離に作られていると聞きます。そのため、いざというときのヨード製剤もきちんと食卓などには配備されているそうです。
私の近くにお住まいの弘前大学の某名誉教授は、非常に面白い提案をされています。本日、会場にお見えなので、後でぜひ発言の中で放射性廃棄物の処理の場所についての面白い案を皆さん聞いていただきたいと思います。
もし、放射性廃棄物の深地層での貯蔵がそんなに安全なのであれば、東京の地下に埋めてはいかがでしょうか。皇居の地下でも国会議事堂の地下でもいい
のではないでしょうか。国会議事堂の下に廃棄物を埋めて、「ほら安全ですね。だから、私もここで何の心配もなく暮らしています。」とアピールしたら、これ
は説得力があると思います。それなら国策に協力しようとけなげに考える、私たち青森県民も納得できるかも知れません。
現時点ですでに存在してしまっている廃棄物ですが、こんなに面倒なゴミの出るエネルギー源に頼っていいのかという問題にも是非最後に触れたいと思い
ます。今年2月の総理府の調査でも、原発に不安を感じている人たちが68%です。事故が起きる可能性があるというのが69.8%、情報公開が不十分が
49.2%、虚偽の報告やデータ改ざんなどの不祥事が続いたが43.2%となっています。ところがそれでも、廃止は21.5%に止まり、増設が42.7%
で、現状維持が27.2%ということでした。日本の電力の3分の1近くが原子力で賄われていることを、44%の人が認識していました。不安でありながら現
状を受け入れるより、エネルギーのこれからを考えてみたいと思いませんか。
スウェーデンではすでに、21世紀に核兵器はもちろん、原子力発電もやめると宣言しています。オーストリアでは、憲法を改正して、核兵器はおろか
「原発」までも排除しようとしています。日本とフランスを除く大国は、すでに原子力から手を引こうとしています。
一方、他のアジアの国々には、中国、韓国、北朝鮮、台湾などで、原発に切り替えようという動きがあります。これらの国に日本の原発を売り込めば、お
金になることは目に見えています。倫理観が乏しく、お金儲けの得意な日本がこれに目をつけないはずはありません。世界がタバコを撲滅しようと躍起になって
いるときに、ナビスコを買い取り、タバコに甘い日本やアジアにタバコを売りつけようとするJTと同じで、世界の良識ある国々の流れに逆行して儲けようとす
るのが日本であると、原子力やタバコの問題を考えるにつけ、非常に残念に思うのであります。
原子力を推進する錦の御旗が原子力基本法であり、ここにコピーがありますが、この原子力基本法の中には、資源のない日本でも、エネルギーの対策を原
子力でということの大義名分がうたわれております。でも、その中で放射性廃棄物の問題までは書かれていません。メリットのみが示され、デメリットにより生
じてくる問題の処理が盛り込まれていない、この基本法自体が、本来片手落ちだったのではないでしょうか。
かつて日本が戦争に向かっていた頃、国民は戦争反対を唱えることを大っぴらにはできませんでした。それに似たことが、この青森県内では今、起きてい
ます。地元では原発反対を正面きって言いにくいムードがあるように思います。戦争に惨敗したのと同様、たくさんの人が亡くなる大事故が起きて、私たちが家
族を失い、この土地から追われるような事態になって初めて見直されるのでしょうか。それでは遅すぎはしませんか。それでは、あまりにも智恵がなさすぎるの
ではないでしょうか。
原発に携わる皆さんが、原子力エネルギーは安全だというのは、軍部が太平洋戦争でこの戦争は勝つと自信をもって言っていたことや、日本たばこ産業が
タバコを安全だということと同じで、その事業にどっぷり浸かり、推進すべき立場の人に見直しを期待するのはまず無理というものだと思います。これは、実際
そのことで被害を受ける青森県民が、受け入れる青森県が、国民が、そして国の方向性を決める政治家が考えるべき問題だと思うのです。このまま黙っていてい
いのでしょうか。青森県では疑問の一つも発することなく、便所とさげすまれても受け入れるのでしょうか。そんなに従順で無批判でよいのでしょうか。
私の大学の恩師内藤裕史先生はおっしゃいました。丸太を運ぶトラックの横を走っていて、丸太のトラックから丸太が落ちてきて、下敷きになって亡く
なった運転手を不運だとかたづけてはいけない。丸太を運ぶトラックの横に並んだら、何かあったとき、どんな事態が起こるか。それを予想していなかったの
が、実は軽率なのだ。それを予想していたら、丸太を積んだトラックとは並んで走ってはいけない。先を見通す能力がないと医師として患者さんの命を守ること
はできない。
もし、人間に智恵があるのなら、人間の力の及ばない不慮の事故があったときに与える影響の大きさを予想して未来を選択すべきだと思います。
地震国の日本が世界の流れに逆行して、危険で面倒なゴミを出す原子力に依存すること、原子力を国策として推進すること、そのこと自体を世に問い直したいと思います。
チェルノブイリの子供たちの美しい肌には、甲状腺がんの手術の跡がくっきりと刻まれていました。そして、その喉を心配そうに眺める親御さんの目は、
不安で一杯でした。ノーモア・チェルノブイリ、心からそう思います。そして、そのために何ができるのかをもう一度考え直してみたいと私は思います。以上で
す。
(土屋)
はい、どうもありがとうございました。また、その地層などの問題点、疑問点などについては、後ほど専門委員の先生からご意見を伺いたいと思います。石川さん、ありがとうございました。
続きまして、デーリー東北新聞社論説委員の江波戸宏さん、お願いいたします。
(江波戸)
江波戸です。今石川さんから、総理府の調査の話が出てきました。今回、総理府の調査と、もう一つは、東北通産局がまとめた調査、「エネルギー、原子
力に関する意識調査」があります。これを私が読んでおりますと、非常に面白いことに気が付きました。この中に生活不安などの12項目を挙げまして、例え
ば、交通事故、犯罪、大気汚染といった項目の中からどれか一つ選びなさいという設問になっております。その結果出てきたアンケートの結果は、第一番が何だ
と思いますか。これは、放射性廃棄物の処分であります。これが一番不安だと答えた人が約90%、9割です。その次が今流行の毒物混入事件だとか、大気汚染
というようなものになっているわけです。つまり、今、放射性廃棄物という問題がまさしく国民的な問題となっているということがいえるわけです。
青森県は、皆さんご承知のように建設中、計画中の原子力発電といったものがあり、全国でもまれな原子力施設集中立地県といえます。したがって、それ
だけ安全性の問題もさることながら、やはり廃棄物に関する関心が非常に高い。また、不安も大きいわけです。しからば、具体的に、地元にどのような廃棄物の
問題があるかということです。私が報道機関におりまして、毎日のニュースを常々見ている中で、感じたことが、大体3点あります。
9月1日、まもなくやってきますが、これは昭和49年、旧原子力船「むつ」が太平洋上で放射線漏れを起した日であります。それから数えるとちょうど
25年、四半世紀ということになりますが、その後「むつ」は廃船を経て、現在、「みらい」という気象観測船に変わっておりますが、しかし、「むつ」は決し
て姿を消してしまったわけではない、と私は思っております。といいますのは、今日の新聞にも出ておりましたが、「むつ」の関根浜港に原研の「むつ」の事業
所があります。
この事業所の中に、「むつ」の残した使用済燃料34体が貯蔵保管されております。この使用済燃料については、県との約束によって、大体2000年を
目途に県外に搬出することとなっております。2000年といえば来年でありますが、今のところ、原研ではスケジュールにしたがって、作業を進めているとこ
ろです。ところが現在の流れからいって、どうも私は、作業は2000年に終わるとは思えない。ただ、作業は、数年続くそうでありますが、やはり、どの程度
かということですが、かなり延びるのではないでしょうか。といいますのは、この受け入れ先が旧動燃東海事業所の再処理工場であるわけです。ところが、この
再処理工場は、例の1997年の火災爆発事故で、今のところ再開の見通しが立っていないと、少なくとも私は聞いております。現在、まだ茨城県や東海村に対
しても再開の申し入れが行われたという話も聞いておりません。
問題は、再処理工場の再開見通しが立たないと、やはり、これを青森県の地元から東海村にもっていくのは難しいかなという気がしております。したがっ
て、東海再処理工場が鍵を握っているわけで、まだまだ不透明要素があるのかなという気がしております。
つまり私が言いたいことは、まだ原子力船「むつ」は、完全に終わっているわけではないということです。
それから、私が日頃感じている点は、今の大間原発は、皆様ご承知のように、フルMOXで計画が進められることになります。普通のプル・サーマルは炉
心に3分の1のMOX燃料装荷ということになりますが、大間の場合は全炉心にMOX燃料を装荷する原子炉であります。問題は、大間から出てくるMOXの使
用済燃料について、現段階ではどう扱うかが必ずしも明らかにされていないという点があります。先般、私はそのことに関して通商産業省に聞いてみたのです
が、これは、将来的に建設される第二再処理工場で再処理するという方針のようであります。しかし、この第二再処理工場は、私も十年くらい前から話を聞いて
いる構想です。現在、国の原子力長計がわずかに1行くらい書いている程度で、2010年以降にこれを動かすという話になっているわけです。つまり、現段階
では、非常に具体性に欠ける計画なのであります。今の長計の見直しの中で、その点を明らかにするのだそうですが、私は、必ずしも2010年以降に第二再処
理工場ができるとは考えておりません。
私が言いたいことは、プル・サーマルなり、フルMOXを始める段階で、MOX燃料の使用済燃料をどうするのかということをハッキリさせた上で、スタートさせるべきだったのではないかと思っております。
第3点ですが、原燃さんの話にもなりますが、ウラン濃縮工場から、劣化ウランが生じています。これについても、これが廃棄物なのか、資源なのかが
ハッキリしないところがあります。私が当初聞いた段階では、これを将来、高速増殖炉が動いた段階で、燃料として再活用するのだということでしたが、実はこ
の高速増殖炉が、今の「もんじゅ事故」で現在開発の見通しが立っておりません。では、これから劣化ウランはどうなるのかという一つの問題があります。
以上を考えてみますと、周辺に不透明な部分がかなりあります。したがって、我々マスコミ・サイドからみて、放射性廃棄物政策をもう少し県民に分かりやすい展開にしてほしいと思っております。
時間がなくなりました。後で言い足りないところは論議の中でお話ししたいと思います。
(土屋)
ありがとうございました。放射性廃棄物行政を県民に分かりやすいものにしてほしい。情報公開をもっと進めてほしいというお話であったかと思います。また、後ほど、詳しくお願いいたします。江波戸さん、ありがとうございました。
それでは、続きまして、東北電力株式会社常務取締役の須藤豊さんお願いいたします。
(須藤)
東北電力の須藤でございます。今回、放射性廃棄物に関するシンポジウムが青森県で開催されることは、地方での議論を深める上で大変有意義なものと
思っております。冒頭のご説明にもありましたが、原子力発電は、わが国の総発電電力量の約3分の1を賄っております。この原子力発電は、電力需要が増す中
で、エネルギーの安定的な供給、あるいは地球温暖化の防止の視点からみましても、炭酸ガスの放出量が極めて少ないという特性から、今後さらに重要な地位を
占めてくるものと思っております。
当社におきましても、先ほどの資料の2ページに写真もありご説明もございましたが、宮城県の女川町、牡鹿町にあります女川原子力発電所におきまして、1、2号機を運転中であり、現在3号機を建設中であります。
また、当青森県の東通村におきましても、東通原子力発電所1号機を建設中であります。
ところで、原子力につきましては、官民を挙げて努力しておりますものの、社会から十分な信頼を得るに至っておりませんが、この背景には、原子力発電
に対する不安とともに、放射性廃棄物の処分対策が明解な形で、国民の皆様に見えていないためではないかと考えております。
特に、高レベル放射性廃棄物の処分につきましては、研究開発は進められているものの、諸外国の例をみましても、実際の処分を行った例がないことなども原因しているのではないかと考えております。
このようなことから、原子力発電に対する国民の皆様のご理解を得ていく上で、本日のシンポジウムのテーマであります放射性廃棄物の処分対策は、極め
て重要であります。また、放射性廃棄物は、将来発生するだけでなく、これまでの原子力発電ですでに発生しているものであるので、最優先に取り組んでいかな
ければならない課題であると考えております。
本日は、原子力発電に伴って発生する放射性廃棄物の処分対策について、ご説明申し上げますとともに、電気事業者の立場から、若干の意見を述べさせていただきます。
はじめに、低レベル放射性廃棄物の処分状況、検討状況でございますが、原子力発電所の運転に伴い発生する低レベル放射性廃棄物の処分につきまして
は、先ほどもご説明がありましたように、埋設処分をすることとし、すでに事業化が行われております。平成4年から日本原燃株式会社の低レベル放射性廃棄物
埋設センターにおきまして、これまでに12万本を超える本数が受入れ処分され、このうち、当社の女川原子力発電所からも4,200本あまりを受け入れてい
ただいているところであります。
次にまだ、事業化に至っていない放射性廃棄物についてでありますが、使用済の制御棒や原子炉の炉内構造物の一部など、現在の埋設の上限値を超える廃
棄物につきましては、地下50mから100m程度の深さに処分するとの方針が昨年、原子力委員会から示され、今後、安全基準の策定などがなされることと
なっております。また、原子力発電所から発生はいたしますが、本来放射性廃棄物として扱う必要のない廃棄物を一般廃棄物なみの処分や再利用を可能とするた
めの検討も行われており、今後関係法令の整備が行われることとなっております。私ども電気事業者といたしましては、これらの廃棄物の処分が円滑に進むよう
願っておりまして、処分計画や安全性について、国民の皆様のご理解を得るべく、広報活動を行ってまいりたいと考えております。
次に、使用済燃料の再処理により発生する、いわゆる高レベル放射性廃棄物についてでありますが、先ほどのご説明にもありましたように、冷却のために30年から50年、安全に貯蔵した後、地下の深い地層中に埋設処分することを基本としております。
この高レベル放射性廃棄物の処分を、円滑に進めていくためには、やはり社会的理解を得ることが重要と考えており、そのためには、処分が技術的に可能
であること、また、再処理をすることにより、高レベル放射性廃棄物の発生量を減らすことができ、かつ安全な処分という観点からも有効であることを、具体的
にお示しすることが重要であります。
さらに、研究開発の成果を積極的に情報公開して、処分の安全性を国民の皆様にご理解していただくことが大切であると考えております。
同時に、処分が非常に長期にわたることに対するご心配に十分応えていくことが必要であり、そのためには、実施主体、資金確保、資金プロセスについ
て、責任をもって推進していくことのできる体制、制度の整備が重要であり、現在、総合エネルギー調査会原子力部会で審議が行われているところでございま
す。その中で実施主体の組織形態でございますが、国民の皆様にとって安心できるものであり、かつ、長期安定性が確保されるものでなければなりません。
電気事業者は、この処分事業を、廃棄物発生者としての責任をもって推進してまいりますが、処分事業が極めて長期にわたることから、最終責任を民間企
業に委ねることを不安とする声も聞かれます。したがいまして、高レベル放射性廃棄物の処分という超長期にわたる事業につきましては、事業推進全体を通じ
て、社会的信頼性確保のために、国の果たす役割は極めて大きいものがあると考えられます。特に、この事業終了後の安全責任の継承や、不測の事態における制
度的対応について、国の責任を明確化することは、処分事業に対する国民の皆様の信頼と安心を得ていく上でも是非必要であると考えております。
次に、事業資金についてでございますが、資料にもございましたが高レベル放射性廃棄物処分に係る費用の試算では、ガラス固化体4万本の処分施設を想
定した場合に、2兆7,000億円から3兆1,000億円となっております。この資金確保につきましては、今後具体的な審議がなされるものと思われます
が、放射性廃棄物の処分費用は、受益者負担の原則から、原子力によって作られた電気をご利用していただいているお客様にご負担いただくのが適切でございま
して、世代間の公平性の観点からも、早期に電気料金の料金原価に算入することが適切であろうと考えております。
次に、処分地選定についてでございますが、これは、地域の皆様の理解と信頼を得ることが最も重要でございます。私どもも発生者責任を有する者とし
て、実施主体に積極的に協力して処分地選定に努力してまいりますが、国にも積極的に関与していただく必要があるのではないかと思っております。
以上、発電所から発生する低レベル放射性廃棄物、使用済燃料の再処理により発生する高レベル放射性廃棄物の処分について、意見を述べさせていただき
ましたが、私どもこれらの放射性廃棄物の発生者といたしまして、廃棄物処分の円滑な実現に向けて、今後とも皆様のご理解を得ながら、国や関係機関と力を合
わせて取り組んでまいりたいと思っております。以上でございます。
(土屋)
はい、どうもありがとうございました。東北電力株式会社須藤さんから伺いました。
続きまして、元青森県医師会会長、公募でお越し下さいました対馬秀雄さん、お願いします。
(対馬)
対馬でございます。私は老人でありますので、一番、この原子力ということで思い出すのは、広島、長崎の原爆のことでございます。原爆というと、やは
りウランやプルトニウム、特に長崎はプルトニウムでございますし、また、水爆もプルトニウムが主でございます。だから私は、プルトニウムの生産に対して反
対の立場を取っております。
今日の問題は、放射性廃棄物といって、非常に広範囲でございますが、私は高レベル放射性廃棄物についてお話したいと思います。
今言われたように、高レベル放射性廃棄物処分懇談会では、2000年に実施主体をこしらえて、2040年の半ばまでに操業を開始するという予定でご
ざいます。これはできるかどうか分かりませんが、とにかく、私は処分をするには、実施主体というものをまず第一に決めなければならないと思います。
ここで応募しました原稿がございます。800字ですので、少しずつ読んで補充したいと思います。
速やかに実施主体を決めなければ、放射性廃棄物処分の事業は進展しない。
実施主体は、廃棄物発生者である電気事業者が中心となった民間とし、国が監督と安全規制を行うことが妥当と思う。
処分技術や事業資金の確保などは、設立された実施主体が中心となって決定することが望ましい。
それとともに国民が不満に思っている次の諸点を一般公開で討論し、その経過、結論を国民に知らせてほしい。
この原稿を書いた後で、実施主体を設立するための法律ができるということになり、昨日の東奥日報の夕刊にも、来年の国会で法案ができ、そして、その対策費として、66億円を要求しているということが載っておりました。
まず、第一に実施主体設立は、私の意見から言えば望ましいことでございます。ただ、この法案のそのものがよいかどうかは、まだ私は、十分に勉強しておりません。しかし、できるということは非常に良いことだと思っております。
次に、国の方針は、再処理をすること、ガラス固化体をこしらえるということ、それから、最終処分を深地層処分するということが一体となっております。私はやはり、深地層処分の他に、そのほかの方法も考えてよいのではないかと思います。
高レベル放射性廃棄物において、深地層処分の他に使用済燃料の中間貯蔵が法的に可能となった現在、時間的に若干余裕ができたので、使用済燃料の直接処分をも検討してよいのではないかと思います。
深地層処分には、地下数100mのところに、約7km2の埋設場所が必要ということでありますが、技術的、経済的に極めて困難でなかろうかと思います。
中間貯蔵については、いろいろ問題があるが、発電所で集まった使用済燃料を集めるという消極的面のみでなく、中間貯蔵のため多少時間ができるので直
接処分、これはプルトニウムを作らないものでありますが、そのような直接処分をも検討してよいのではないかと思います。
また、私は素人でありますが、説明を見ると地下数百メートルのところに、約7km2もの広さを必要とし、これは関西空港ほどの広さであるとありま
す。1,000mのところに、果たしてそのような広い埋設箇所が得られるのでしょうか。素人ながら不安に思っているところであります。青函トンネルは、
240mだそうでございますが、地下数100mのところにそういう広い埋設場所ができるのかどうか、これは専門家の方にお伺いしたいし、不安に思っている
ことであります。
最後に、今後の方法として、原発が存続する限り、使用済燃料は増加する一方であり、廃棄物処分は国民が避けて通れない問題であります。原発の推進
者、反対者を問わず、全国民が一体となって、真剣に取り組む必要があると思います。これは、本当に原発の推進者にしても、反対者にしても、廃棄物の処分と
いうことに対しては、一生懸命勉強して、良い方向に向かうということが、大切ではなかろうかと思っております。
次に、風力、太陽光などの発電の充実に力を注ぎ、原子力発電を少なくし、プルトニウム過剰の現状から、再処理工場の建設を凍結、中止することです。
私は、最初に申しましたとおり、プルトニウムをこしらえるということには反対ですので、再処理工場はやらない方がよいのだということでございます。もう一
つ、プルトニウムは世界的に余っているので、それをどうするかと皆が考えているときに、現状のまま再処理を続けていくということには疑問を感じています。
最後に、現在の情報公開ということには全く不満であり、秘密性を排除し、マイナスの面を含めて、ありのままを公開することを要望いたします。情報公
開も、都合の悪いことはあまり発表しない、マイナスの面をあまり発表しないのではないかということを考えております。やはり、「もんじゅ」、東海村の再処
理工場の爆発についても、十分に公開されているかどうか疑問に思っているところであります。是非、今度の処分実施主体におきましても、情報公開というもの
を、皆さんに分かりやすく、また、ありのままで公開してほしいと思います。以上でございます。
(土屋)
はい、ありがとうございました。情報公開に加えてマイナスの面も含めた、ありのままを発表してほしいというご意見でした。
では、続きまして、元青森県南津軽郡浪岡町長の平野良一さん、お願いいたします。
(平野)
平野と申します。私は、六ケ所で進められております核燃料サイクル施設の建設に関して、当初から今日まで一貫して反対の意志を表明してまいっており
ます。民主主義国家でありながら、民意を全然汲まないで、今日まで既成事実を押し付けてきたということに対して反対を唱えております。
現在、放射性廃棄物については、すでに12万本を超える、低レベルという原発廃棄物が搬入、埋設されましたし、あと、再処理廃棄物であるガラス固化
体が168本、収納廃棄されているわけであります。これらの処理に対して、青森県内の県民は、最終的に全部核のゴミを押し付けられるのではないかという強
い懸念をもっておりますし、「もんじゅ」、あるいは東海再処理工場の事故以来、原子力施設の安全性に対する不安というものも非常に根強いものがあります。
しかも、その根底には、国の原子力行政の進め方に対する信頼の欠除という問題があります。このことは、残念ながら、原子力事業者の方も含めてであります
が、そういう意味あいで、原子力行政に対する不信、原子力施設の安全性に対する不安、そして、核廃棄物の最終処分場にされるのではないかという懸念、この
3つについては、私どもの方の木村知事も、常日頃、口が酸っぱくなるほど申し上げ、節々の場合にはパーフォーマンス的なこともあって、全国的なニュースに
なっていることもご存知と思います。
したがって、全部を挙げれば、与えられた時間ではとても間に合いませんので、今日は、この原子力行政の不信を排除するためには、最低限この程度のも
のをクリアしてもらわなければならないのでなかろうかということを、12項目、項目別に掲げさせていただいて、問題提起とさせていただきたいと思います。
12の項目を整理しやすいように、3つずつに分けて、4つに括ってみたいと思うわけです。
まず、第一には、国、事業者の広報活動は説得のための広報だけであり、これを止めてもらいたいということであります。そのためには、まず、一つには情報公開の徹底でございます。
二つには、単に情報をオープンにするだけでなく、そのことによって、相互に意見が交流できるような、対話の窓口を広げるということでございます。そ
の根底には、やはり事業を進める側に、常に自らに問うて足らざるはなし、原点は何かというところから始めてもらいたい。ともすれば、本日も一番不満なの
は、青森県は、この原子力サイクル施設を受け入れて、すでに15年を経過いたしました。この間に、私どもとこういう場で、話し合いのような形が、ようやく
できるようになったのは今年3月、六ヶ所村において、通産省の原子力部会による意見交換会と、今回の2回だけであります。このことが、少なくとも立地をす
る前から始められてしかるべきだったのではないか。そして、根底には、原子力施設は、稼動させるのが当然である。したがって、廃棄物はこれからも出し続け
る。もう、原子力発電は是か非かという議論は、この場ではやらないで、という形の進め方というのも、やはり、不信感の大きな根拠になっているのでないかと
思うわけです。
第二には、原子力施設の立地、運転等に際しては、安全審査を含めまして、そのやり方を改めていくべきではないのかということであります。
まず、一つには、公開ヒアリングというものが、なされてきておりますが、これも全部、形だけのようなものであります。
六ケ所の場合の低レベル廃棄物を例にとりますと、事業者の説明でも最終的に300万本という埋設計画を示しているわけであります。ところが、公開ヒ
アリングでは、20万本だけが対象なわけです。やはり、全体計画の中で、その立地が良いかどうかという形での議論を進めるべきではないのかということで
す。このことは二つ目に申し上げたい安全審査のあり方についても同じですが、申請をされている区分だけについて、ある意味で国語の試験の採点をするよう
に、一言一句を吟味をしてみて、間違いないという形で、トラブル等があれば、申請の範囲外であったというようなことのないよう、やはり総括的に全体計画を
見直した中で、懸念される範囲内についても安全審査を行うべきではないのか。
そういう意味合いでは、一般国民がそれに関心をもつことができるよう、学術用語などではなく、一般の方々が分かるような、話し言葉で意見を公表していただきたい。
また、立地に際しては、ただ三法交付金を交付するだけではなく、そのことによってその地域の振興はどうあるべきかについて、広く意見を闘わせた上で
立地がなされ、立地された後に、その交付金の使途についても十分議論がなされるようなシステムの構築が必要であろうと思われます。残り2分ということで、
駆け足にならざるを得ませんが、
第三には、すでに発生されたものと、これから発生するものを区分する議論をすべきであるということです。対馬先生は、好むと好まざるとに関らず、全
体の問題として議論すべきであると言われましたが、今日まで発生した分については、現世代が責任をもってよいわけですが、今後の発生については、現在まで
の処分の方策の目途がついた後にやるべきである。そういう意味では、今日の不信の一番の原因は、既成事実のなし崩しによって、成り立っているというのが第
1点です。第2点は、現在、今後の原子力計画をどう進めるかで、長期計画の策定会議などがもたれていますが、これもこういう形での、地方持ち回りのような
形で議論がされるような場を設定してほしい。
3点目には、廃棄物の発生量を、できるだけ現状の中で抑えるためには、今日、35日か40日で定期検査を終わりましたということで得々とするような
姿勢はやめて、当初考えられたように120日間の定期検査で、原子力施設の安全点検に十分な時間を掛けてほしいということです。
4番目でくくりたいと思っていた、高レベル廃棄物の最終処分問題については、時間切れのようなので、後ほどの討論の場で問題提起をさせていただきたいと思います。
(土屋)
はい、分かりました。後ほど、その4番目の高レベル廃棄物の問題につきまして、お時間をとらせていただきますので、そのときにお願いいたします。
では、続きまして、日本原燃株式会社専務取締役の山下博さん、お願いいたします。
(山下)
日本原燃の山下でございます。本日のシンポジウムの趣旨に沿いまして、当社の事業に関連いたします、放射性廃棄物の現状などについて、ご紹介させていただき、本日の討論の対象にしていただきたいと思っております。
ご承知のように、ここ青森県におきましては、私どもは低レベル放射性廃棄物の埋設、高レベル放射性廃棄物の一時貯蔵、再処理、ウラン濃縮を事業とし
て進めさせていただいているわけですが、これら4事業のうち、低レベル放射性廃棄物の埋設、高レベル放射性廃棄物の一時貯蔵、及びウラン濃縮につきまして
は、順調に操業を進めさせいただいておりますが、最後の再処理につきましては、この前、工程変更させていただきましたが、平成17年7月の操業を目指しま
して、現在鋭意建設を進めているところでございます。
当社事業に関します放射性廃棄物の現状ということで、最初に現在、原子力発電所の低レベル放射性廃棄物の埋設、海外からの返還高レベル放射性廃棄物
の一時貯蔵を事業として行っておりますので、最初にこれらの両事業につきまして、概要をご説明させていただきます。
まず最初の、低レベル放射性廃棄物の埋設ですが、先ほどからいろいろ話が出ておりますように、わが国の原子力発電所で発生いたしました低レベルの放
射性廃棄物は、六ヶ所村にあります当社の埋設センターに受け入れ、現在、埋設を行っているところでございますが、第一期分としまして、200リットルドラ
ム缶で約20万本相当の廃棄物を埋設する施設が、平成4年から操業を開始しております。今年の7月末で、その容量の約6割、12万7,000本程度です
が、その埋設が完了しております。この埋設センターの最終的な規模といたしましては、300万本相当とすることを考えております。第一期分といたしまして
は、第一期分と同じく、20万本を埋設する施設を予定しておりまして、この第一期分の建設を昨年から開始させていただいており、来年には操業を開始する予
定としております。
ここで、低レベル放射性廃棄物の埋設の状況としまして、先にOHPの2枚のコピーを配らせていただきました。1枚目のコピーは、いままでいろいろな
場所で皆様ご覧になっているかと思いますが、ポイントだけをご紹介させていただきます。ご覧になっているように、鷹架層という、非常に強固な岩盤がござい
まして、そこまで掘り下げまして、OHPに書いてございますように、鉄筋コンクリート製のピットを構築いたしまして、この中にセメントで固めたドラム缶を
俵積みしております。その後、鉄筋コンクリート製のピットとドラム缶の空隙を、モルタルを充填して固める。そのような設備になっております。
もう一つ、ちょっと見づらいのですが、ポーラス・コンクリート層、約10cmというのが、書かれておりますが、これは、鉄筋コンクリートのピット
と、中のドラム缶の間に、ポーラス・コンクリート層を設置しております。この目的は、上から水が入ってまいりまして、ピットを通してドラム缶と接触するこ
とを防止するため、ピットを通ってきた水を一旦、このポーラス・コンクリート層で集めまして、左の方に点検路と書いてございますが、この中に排水管の出口
がございまして、ここで集めて、必要であれば処分しますし、あるいは漏れているかどうかの点検のツールとして使用いたします。さらに、このピットの周囲
は、ベントナイト混合土、これは粘土状のものでございますが、これで覆いまして、その後最後に、厚さ約4m以上の覆土を行う。したがいまして、低レベル埋
設では、ベントナイト混合土、鉄筋コンクリート、それからポーラス・コンクリート層で、もし漏れた場合は水を集めるというバリア、その中には、ドラム缶を
モルタルで固めるということと、ドラム缶そのものが、その中もモルタルで固めたものとなっており、こういった何重ものバリアで、放射性物質が外に出ること
を防止するという設備になっております。
以上が低レベル放射性廃棄物の埋設についてですが、当社はその他にガラス固化体の一時貯蔵を行っております。このガラス固化体の一時貯蔵といいます
のは、わが国の原子力発電所で使用しました原子燃料を海外の再処理工場で再処理したときに発生いたしました高レベル廃棄物がガラス固化体となって返還され
てきていることから、これを30年から50年の間、冷却のため、一時貯蔵を行うというものであります。
この貯蔵を現在、六ケ所にあります高レベルの貯蔵管理センターで行っております。ここで30年ないし50年間貯蔵されましたガラス固化体は、現在、
設立に向けて検討が急ピッチで進められております実施主体のもとで建設されます最終処分地へ搬出されることとなっております。
現在、ガラス固化体168本の貯蔵を行っておりますが、最終的には約3,500本の固化体が海外から返還される予定となっております。
したがいまして、平成7年に操業を開始しました、一期分1,440本の貯蔵施設に加えまして、しかるべき時期に国、県、村のご了解を得つつ、一期施設を増設することを予定しております。
高レベル施設につきまして、コピーの2枚目で簡単に説明させていただきます。このコピーの左側にセンターの俯瞰図を画いております。低レベルの埋設も同様
ですが、鷹架層という非常に強固な岩盤がございますので、その上に耐震設計などを実施しました鉄筋コンクリートの建物を作り、また、コピー図に棒状のもの
を画いておりますが、これが収納管といいまして、160本設置しております。これをクローズアップいたしましたのが右側の図面でございます。真ん中にガラ
ス固化体の形状を簡単に画いておりますが、ガラスがステンレス製の容器、これをキャニスターといっておりますが、この中に密封して入れられています。こう
いったガラス固化体を現在、168本六ケ所で一時貯蔵しているわけでありますが、このガラス固化体を、収納管の中に9本、縦方向に積んでおります。この中
は負圧になっておりますので、万一放射性物質が出ましても、この収納管からは出ないようになっております。
このガラス固化体は、搬入当初は、最大2.5kWの発熱がありますので、それを冷却するための通風管を収納管の外側に置いてあります。その状況を左
側に画いてありますように、左の上の方から外気が一番下に入ってきまして、それが段々暖まってきまして自然のドラフトとなって右の方に入り、上から出てい
くということになっております。なお、右側の収納管の上部には、約1.5mのコンクリートのプラグをしておりまして、この真上に、現在、見学する方々をご
案内しております。多分皆様の中にも、この上に立たれた方もいらっしゃるかとも思いますが、この上は全く自然の放射線レベルの空間線量率という環境でござ
います。
このように、私どもはガラス固化体の貯蔵管理及び低レベル放射性廃棄物の埋設を行っておりますが、これらの施設周辺におきまして、さらに環境放射線
の監視、あるいは放射能の測定などの、いわゆる環境モニタリングを、国あるいは県のご指導をいただきながら、周辺環境に影響を与えていないということを確
認する仕事をしております。
お話し残したことがまだ少しございますが、この後の時間で意見として述べさせていただきます。
(土屋)
はい、ありがとうございました。以上6人の方のパネリストのご意見を伺いました。まだまだ皆さんおっしゃりたいことがたくさんお有りだと思いますの
で、休憩をはさみまして、後ほどご意見を、そして、専門委員の方々のご意見を、それから会場の皆さんもご意見がありましたら、記入用紙にお書きいただきま
して、回収箱に入れていただければと思います。
それではただ今から、3時15分まで休憩とさせていただきます。
こちらの会場を出られまして、左手の方に行かれますと、受付の先に展示コーナーがございます。また、飲み物を用意してございますので、どうぞご利用下さいませ。
また、記入用紙にご意見を記入していただいた方は、会場後ろの回収箱にお出し下さいますようお願いいたします。
<休憩>
6.議事内容 (その2)
<休憩>
(土屋)
先ほど、時間切れということでご意見を後ほど言いたいという方がいらしたので、持ち時間10分というお約束ではありましたけれど、残したご意見を簡
潔にお述べいただきたいと思います。まず、江波戸さん、先ほどおっしゃりたいと言われました。そこからお願いいたします。
(江波戸)
私は、放射性廃棄物が特定の地域に集中するやり方は決して正しくないと思っております。したがって、これを避けるためには、では、どういう方法があ
るのかということは難しい問題ですが、例えば、甘いと言われるかも知れませんが、青森県の場合、ある一定程度の原子力施設を受け入れた段階で、もうこれ以
上はだめという線引き宣言を県にさせない限り、下手をすると、これから原子力施設、廃棄物のようなものが集中するのではないかと思っております。というの
は、国土審議会の会長をしておられた開発研の下河辺さん、この方が青森県で講演の中でも述べているように、八戸から下北地域は原子力の産業がかなり可能性
が高いということを言っております。産業界の方に聞いても、今原子炉は立地難であり、青森県に期待するところがかなり多いと思うのです。それが現状である
と思います。
したがって、このままですと、将来的にみると、本当に廃棄物だらけになるのではないかという危機感を、私はもっております。ただ現状のものにつきま
しては、出て行けと言っても、実際問題として受入れてもらう場所がないわけです。したがって、そのぎりぎりの線として、線引き宣言のようなものを県にやら
せることが必要ではないかと思っております。
先ほど通産省の資料を出したのですが、これは廃棄物に対する不安が大きいということを言いたかったのでして、このような現状は、高レベル廃棄物最終
処分場が非常に難しいということを物語っているのでないかという気がしています。つまり、このような嫌なものは地元にはほしくない。やはり、こういう意識
は、まだ大変なものだと思うのです。
したがって、高レベル処分場の推進をしてゆくとすれば、やはり、国民的論議を大いに盛り上げてもらわないと困るのでして、その盛り上げについては、廃棄物行政の大きな責任であると思います。
青森県は、原子力船「むつ」という問題がありました。この時は、新母港が県外移転という話になったわけですが、結局、このときも、県外の候補地など
というものは出てきませんでした。そういう意味からしても、私は今回、高レベル処分場については、危機感をもっています。だから、そういうことがないため
にも、今の事業主体などにしても、国営方式のようなもので強力に進めるのではないかという印象をもっております。だいたい以上です。
(土屋)
はい、ありがとうございました。それでは続きまして平野さん、先ほど高レベル放射性廃棄物について、言い残されたものですから、お願いいたします。
(平野)
私は、高レベル廃棄物も、最終処分場探しだけで、物事が解決するかのようなごまかしはやめていただきたい。
まず、第一に、現在の形になっているガラス固化体というのものが、どの程度安全なのかということにつき、国民の間に合意が得られていない。東海の再
処理工場に付随しているガラス固化体技術開発施設、ローマ字でTVFという施設が動いていたのですが、現在は、例の再処理工場の爆発事故以来ストップして
おります。あそこで、本来、ガラス固化体の健全性がどうかという試験を行うことになっていたはずですが、それが中断しています。そういった経緯を国民に分
かってもらい、この処理方法が最善なのかどうかという議論が最初にあるべきなのではないか。
二つ目には、ガラス固化体を六ケ所で今預かって、30年から50年経ったら最終処分場にもっていくという話になっています。それは30年なのか50
年なのか、それとも、先ほど山下専務さんがおっしゃったように、2.5kW以下という形になっていますが、現在、2kW以上あるものが、どの程度まで冷却
されたら最終処分という段階に移行するのか、最終処分に移行する条件も議論をしていないわけです。そのことがまず必要ではないのか。
三つ目には、現在六ケ所で許可をいただいているのは、1,440本の海外から帰ってくるもののはずです。一般的には3,500本くらいという言い方
をしております。今日お配りされた資料の中には、今の時点でガラス固化体に換算すると、1万2,600本くらいの高レベル廃棄物となる。これらのものを全
部一極集中で貯蔵なり、管理なり、処分なりをしてよいかどうかという議論をするべきではないのか。そういう手順を一つずつ踏んだうえで、次に移行してほし
い。何かしら、全部解決済みで、事業主体ができて、お金を電力会社の方で出して、2040年までの間に最終処分場ができて万々歳というようなことは、一種
のごまかしになってしまうのでないのか。その辺が、原子力行政そのものに対する信頼感がたもたれない、一番の原因ではないのか。
手順を踏んで、時間が掛かって遠回りになったとしても、一つずつ段階を踏んだ形で、進めるべきであります。
それで、進めるのがだめとなった場合には、いさぎよく回れ右をする勇気をもつべきではないのか。そういうふうに思っております。
(土屋)
はい、分かりました。また、この一つ一つ議論をしていくべき、廃棄物行政、原子力行政についての話も後ほど、ご意見が皆さんからあるかと思いますので、伺ってまいりたいと思います。
続きまして、山下さん先ほど言い残されましたが。
(山下)
はい、先ほど、低レベル埋設とガラス固化体の一時貯蔵の話をさせていただいたわけですが、それ以外のウラン濃縮、それから、再処理事業に伴いまし
て、放射性廃棄物が発生するわけでございます。例えば、ウラン濃縮事業は、平成3年度に操業を開始したわけですが、現在で、200リットルドラム缶で
2,600本の放射性廃棄物をウラン濃縮工場の廃棄物貯蔵建屋に保管しております。
また、再処理工場は平成17年7月操業開始を目指しているわけですが、この再処理施設からも高レベルとTRUを含んだ低レベル廃棄物が発生します。
これらの廃棄物は、それぞれの廃棄物の性状に応じまして、それに応じた処理を行った上で、当面工場内の貯蔵施設で安全に保管することを計画しています。
当然、その後に処分ということになりますが、処分のあり方、あるいは法規制等々につきましては、先ほど科技庁の課長さんのお話の中にありましたよう
に、国の方で準備あるいは検討が進められております。当社といたしましても、これらの検討や準備が進展し、処分の方策あるいは制度が早急に確立れさること
を望んでおります。また、処分の実施が円滑に進められるように、国あるいは関係機関とともに、この課題解決に向け、取り組んでいきたいと思っております。
以上です。
(土屋)
はい、ありがとうございました。以上パネリストの方からのご意見でしたが、この後、意見交換ということで、ざっくばらんな意見を伺ってまいりたいと思います。まず、専門委員の方一人ずつに伺ってまいりたいと思います。
では、石橋さんからお願いいたします。
(石橋)
先ほどから、青森県が高レベル放射性廃棄物の最終処分地になるのではないかという懸念の声が出ており、その手順を示せとか、あるいは線引きをする必
要があるという話が出ております。一方、実施主体の設立の見通しについても、ご意見があったわけです。この廃棄物処分の実施主体と制度について、先般、国
サイドの動きが具体化されてきておりますので、その点について、私の意見を述べてみたいと思います。
先般、通産省の方から、高レベル放射性廃棄物処分に係る制度の概要が示され、今度の通常国会で法制度を実現するという構想となっております。この法
制度は実施主体を作るということ、そして事業資金を確保するということです。その中心は、このようなことになっておるわけです。
この中で、最終処分地の選定プロセスは、従前の処分懇談会で示された、申し入れ方式、あるいは公募方式が取られております。その際に、地元市町村の
了承、意見を求めるということになっています。制度、実施主体を立ち上げるということ、あるいは金の手当てをするということについては、必ずしも異論はな
いのですが、今回の制度化、法律を作るということについては、その点だけに絞られているということに疑問をもっております。この処分懇談会は全国で意見を
聞く会を開催しました。私は、それに出席して、九州の意見交換会のときに、長崎から来られた方がこのようなことを言っておられました。「原子力船『むつ』
が放射線漏れを起して、長崎に回航されたときに、どうして青森県のものを長崎で引き受けなければならないかという疑問をもった」ということでした。私はそ
れを聞いて、廃棄物というのは、やはり、相手方というか、対話と理解、そういう理念が基本になければ、ものごとは進まないと思いました。現在でもそう思っ
ています。
そういう視点からみますと、今回の通産省のプログラムは、極めて十分ではないと思っております。一つは、処分懇でも示されましたが、透明性のある制
度を確立するとなっております。そのためには、先ほどから出ている情報公開が必要であると思っております。それを制度として記載しなければ、いくら必要な
ときには情報を出しますと言っても、なかなか難しい。今回の通産省の概要には、処分事業というのは、非営利事業であるとの記載がなされています。政府の方
は、従来から原子力については、私的財産権の保護とか、国家機密とか、こういうものを盾にして、情報の公開を非常に制限しているわけです。非営利事業とい
うことであれば、やはりそこのところは、核爆発のようなことがなければ、情報公開を制度として載せていただきたい。また、住民が情報にアクセスできる制度
を作らなければならないと思います。また、これに関連して、住民参加の制度も法律で作っていただきたいと思います。これはフランスやアメリカでも核廃棄物
の法律の中ではきちんと保証されているわけです。
もう一つ、実施主体がいろいろ行いますが、その活動、あるいは成果について、公正な第三者による評価機関を作っていただきたい。これも諸外国では法律の中で作っているわけです。
それから、3番目ですが、地下研究施設と最終処分場との区別を明確にする必要があると思います。これも、例えば、フランスではそのような制度になっ
ております。例えば、地下研究施設に放射性廃棄物を持ち込むことができるのかどうか。できるとしたら、実験用のものだけなのかどうか。あるいはそこに中間
貯蔵的な施設を作ることができないというような制度をつくる。アメリカなどではそのようにやっていますが、そのような保証がなければ、いくら最終処分地を
2030年に作って操業すると言っても、その前段階の地下研究施設を作ること自体が全く進まないと、このように考えます。
そういうことで、今回、実施主体を作るということで法律を作ることとなっており、青森県も大いに関係があるわけですが、ただ実施主体を作れば、ものごとがうまく行くものでは決してないと私は思います。
(土屋)
はい、ありがとうございました。
続きまして、大桃さん、お願いいたします。
(大桃)
私は、トップ・バッターでご発言されました石川はじめさんのご発言を、特にとり挙げて自分の意見を述べさせていただきたいと思います。
放射性廃棄物の処理処分を含めた原子力の開発、利用につきまては、反対の立場をとられる方が何人もおられます。その反対の理由としては、工学的な安
全性に対する疑問とか、あるいは放射線の人体に与える影響に関する疑問、あるいは不安感が根底にあるのだと思います。また、原子力施設の建設を認可した
後、行政は、ただ「安全だ、安全だ」と言うだけで、何もしていないと思われまして、それが一層不安や、場合によっては怒りさえ助長するということになって
いるのでないか、と思われる節がございます。
私はたまたま、現在、青森県の六ヶ所村にあります財団法人環境科学技術研究所で働いております。この研究所は、県の要請を受けて科学技術庁が平成2年に設立した研究所でございます。
この研究所では、放射線の生物に与える影響とか、青森県の気象を再現できる大型気象施設を使って、放射性物質の動きの研究などをしております。得られた成果は、その都度公表されております。
このような放射線の影響とか、環境における放射性物質の動きに関する、世の中でいう安全性の研究が地道に続けられているのだということを、まず最初
に知っておいていただきたいと思います。そして、特に石川さんに申し上げたいのですが、すべてが既成事実として押し付けられて、諦めなければならない、日
本中のトイレになるのではないかというようなことをおっしゃいましたが、諦めることなく、卑下することなく、冷静に今後も議論に参加していただきたい。ま
た、いい続けていただきたい。
私は、バック・エンドに係る委員の一人として、また、六ヶ所村の研究所で働く人間の一人として、県民の健康不安に係る問題について、今後も微力を尽
くしていきたいと思っております。そのような意見が後押しをしてくれるので、今後もいい続けていただきたいと思います。
(土屋)
はい、ありがとうございました。
では、続きまして、神田さん、お願いします。
(神田)
はい、私は現在、京都大学大学院のエネルギー科学研究科エネルギー社会環境科学専攻エネルギー政策学教授という、非常に長いタイトルですが、要する
にエネルギーと社会と環境の問題をどういうふうに政策に反映していけばよいかということを主にやっております。研究室には、博士課程の学生が10人おりま
して、それ以外に修士課程のものも5人いますし、博士論文を書くためにゼミに参加している学生が5人いますので、総計20人になります。そこでもっぱら、
社会と環境とエネルギーの関係を解明するということに集中しているわけです。
したがいまして、今回の長期計画策定会議でもいろいろな役が当たっております。このようなシンポジウムによく招ばれるのですが、たまたまパネリスト
がそうなのかも知れませんが、これぐらい行政に対する不信をあからさまに言われたことは私自身は初めてであります。それくらい、青森県の人たちが行政に対
して、不信に思っておられるとか、あるいは秘密裏に行われているものを押し付けられているのではなかろうかと思っておられることは、今後の長期計画を立て
ていく上で大変参考になる、非常に良い機会に出席できたと思っております。
今の長期計画を少しだけ説明しますと、これまでの長計と今回は、基本的に違う点が幾つかあります。
まず一つは、これまでは原子力委員会がやって、原子力委員会が実施するについても努力をしたのですが、今度は原子力委員会が中心になってやってはい
ますが、実施するときは、原子力委員会は内閣府に移っていますし、実施する主体は、文部科学省と産業経済省に移っていくわけですから、役人が中心となって
進めているのではなく、主体が役人からいわゆる実務者に移ってきたことです。それから、批判的な人がたくさん入ってきたということです。原子力に限らず、
いろいろなことに社会に対する、環境に関する批判的な人がメンバーにたくさんおります。
また、すべてが公開の席で行われます。今まで6月2日と7月2日に行われたのですが、テレビ・カメラが10何台並んで、記者、プレスがたくさんい
て、一般の人がたくさんいてという、そのような中で会議をしている。しかし、残念ながら、新聞社は今日みてもお分かりのように、反対の意見が出たときだ
け、一斉にカメラが回って、済んだらサッと消えてしまう。同じことが長計の席でも、批判的な意見の人のときだけバーッとカメラが回って、次の日の新聞をみ
ると、こういう批判的な意見があったというだけで、議論された主体は消えている。これをもって、公開と言えるのだろうかと、真面目に聞いていらっしゃる方
もいるのでしょうが、ジャーナリストとはこのようなものかと、毎回不信に思うような、それでも一応公開という建前を崩さず進めています。
それから、中間報告がまとまった段階で、国民の意見を聞く手段は最終的にはまだ決まっていませんが、非常に広く聞くことになっています。意見のある
方は、是非ともご出席いただいて、生で議論していくプロセスをみていただきたい。分科会が6つできまして、第1分科会が今言った社会との関わりのあるも
の、第2分科会が主に軽水炉ですがプルトニウムとかサイクルの問題、高レベル廃棄物とか、そういう種類のことが入ります。第3分科会は高速炉を中心にやり
ます。第4分科会は、先端的な研究開発が原子力とどう係わっているかということ、第5分科会は、原子力の一般への応用ということで、産業や医学への応用と
いうことをやります。第6分科会は国際的な問題とどう係わっているかということをやります。
その6つの分科会もほとんど毎月開かれまして、全体会議も月に1回開かれる、それはすべて公開で行われますので、先ほど言いましたような、公開とい
うことが、公開したことが正しく伝わるかどうかということは全く別問題として、誰かがボソボソやっていたということではないように、常に批判的な人の意見
を、今までのところはかなり時間を割いて聞いている。この点が、今までの長計とは画期的に違うものではないかと思っています。これが1点目です。
2点目に、プルトニウムについて、意見を何人か述べられましたので、少しまとめてみたいと思います。それは、一番革新的なことを言われたのは、江波
戸さんでしたか、フルMOX燃料の最終処分の方法が決まっていないではないかということですが、今プル・サーマルを進めている人間としては、気になるとこ
ろです。
私がプル・サーマルを進めている理由は幾つかあるのですが、私の学位論文が35年くらい前に、プル・サーマルの時代がくるというので、プル・サーマ
ルの物理学という論文を書いて学位をいただいたということもあるのですが、それは、プルトニウムをもし利用せず、直接処分で置いておくということですと、
プルトニウムが生れない。現在の資源でいくと、ちょっと前までは45年でなくなると言っていたのですが、旧ソ連の資源が意外とありまして、現在、72-
73年もつだろうと言われています。これ以上原子炉が増えない場合です。増える場合には、もっと短い時間になる。
ということは、原子力時代というのものは、そう大して長くないのですね。再処理をするときに限って、プルトニウムが使えるのであれば、プル・サーマ
ルでも、もう100年、あるいはもう少し行けるだろう。最終的にはもちろん、高速炉が出来て、新たにプルトニウムが発生すればよいのですが、先ほど原子
力、原爆、プルトニウム、爆発恐い、プルトニウム要らないという、非常に分かりやすい式を言われましたが、資源としてみた場合、プルトニウムは非常に有効
である。原子力関係者としては、これほど卑下して、自分たちのやっていることを健気な気持ちで、虐げられながら原子力をやっているというのは、どこか違っ
ているのではないか。エネルギー政策をやっている際に、石炭産業や別の石油産業に比べて、原子力は炭酸ガスということからいって最も優等生の産業なのです
ね。その産業の人たちがこんなに苦しんでいるというのは、どこか狂っているのでないかと、政策学としては考えています。
その点でいきますと、プルトニウムは使わなければいけないけれど、使い方については、さっきの長計のところでもかなり時間が割かれると思いますし、今後私も一生懸命やっていこうと、私自身も思っています。
次の世代に原子力はつけを残すか、という問題ですが、高レベル廃棄物でつけを残すと言っても、これだけのエネルギーを出すのに、出すガラス固化体の
数からいったら、あらゆる産業を通じて、出す体積、量からいって、これほど少ない産業はない。少なくとも、エネルギー産業ではそうです。それに対して、も
し原子力をやめてしまって、今の石炭とか石油に切り替えていきますと、生れてくる炭酸ガスの量というのは膨大な量になります。なかなか炭酸ガスというのは
消えていきませんから、これを何百年、何千年という次の世代に炭酸ガスを残してよいのだろうとか、どちらを選ぶかというときに、私たちは、次の世代に残す
つけがどちらが大事かということを、もっと真剣に考えなければならない。高レベル廃棄物だけを目の敵にして、何とかやるより、その代わりのものがあるのか
というと、それは膨大な炭酸ガスというものなのですね。このあたりのバランスをよくを考えて議論していかなければならないと思いました。
最後に石川さんにお願いですが、自殺者が何人と言われましたが、別に青森が多いわけではないのですね。自殺者が何人と言われると如何にも青森県が具
合が悪いようですが、全国平均からいって、特に多いわけではありませんし、お医者さんだったら、ちゃんと全国平均が、例えば、15,000人が
20,000人になって、人口が1億2500万人であれば、150万人の青森県民がこれだけ死ねば何%になる、それがこのように増えたときっちり言ってい
ただかないと、いかにも青森だけがものすごく悲惨だというように聞こえる。そのようなことはないです。青森は胸を張って、先ほど大桃さんが言いましたが、
こういう意見が堂々と言える県がよくぞあったということで、今までのこういうシンポジウムとか、ヒアリングで、これくらい堂々と意見をいう人が何人もおら
れたということに、私はむしろ感動していて、ああ、呼んでいただいて良かったと思っています。どうもありがとうございました。
(土屋)
ありがとうございました。
では、徳山さんお願いします。
(徳山)
はい、私の専門は地質学です。ですから、先ほど疑問と言われた中の、特に地層処分についての安全性とか、そのようなことを専門にしております。ま
た、神田先生が社会と環境、エネルギー関係をやっていると言われましたが、私どもは、これから新しい大学を作り、環境防災学部を作ることとしております。
ここでは、災害や環境を人間社会の視点で社会学的に考えていこうと考えております。今皆さんが言われている環境と社会との問題を、人間の立場を中心に考え
ていきたいと思っております。
いわゆる地層処分の安全性が確かなのかということを何人かの方がおっしゃいましたので、私は、そのことをお話ししたいと思います。その前に、今神田
先生からもお話のあったところですが、廃棄物の問題について、簡単にお話ししたいと思います。これから東通村には、110万kW級の原子力発電所を作ろう
としていますが、試算しますとねそれと同じ量の発電をするには、1年間に石炭では250万トンくらい必要と言われています。以前の本では700万トンとか
書いてありますが、最近は効率が良くなっているので、250万トン程度となっております。石炭といっても100%炭素ではありませんので、50万トンくら
いの灰が出てきます。体積に直して約100万m3の固体廃棄物が出ます。二酸化炭素は800万トン、これは37億m3、ものすごい量です。同じ大きさの発電所を石油でやりますと、二酸化炭素の排出量は、大体4分の3と言われています。ですから、1年間には28億m3となります。それからLPG、天然ガスでやりますと、石炭の3分の2ぐらいと言われています。1年間で22億m3となります。
これに対して、原子力発電では、核反応そのものが二酸化炭素を出すわけではありませんが、例えば、ウランを燃料に濃縮したり、原子力発電を動かすに
もエネルギーを使いますから、そのエネルギーのための二酸化炭素排出を計算すると、石炭火力発電所の数%といわれております。
電気事業連合会が編纂した、原子力図集という冊子があり、公表されているものですが、これを御覧になると分かります。
この他、高レベル放射性廃棄物は、最終的に処理してガラス固化体にしますと、これが30本になります。ガラス固化体は1本が直径43cmで高さ1.3mといわれていますから、一つの円筒で0.18m3、それが30本合わせても、5.5m3と
いうことでしょうか。ですから、出てくる廃棄物の量は、おなじ100万kW級の発電所を1年間運転したことを考えますと、その廃棄物の量は、これだけ違う
ことになります。これが、先ほど神田先生も言っておられましたが、第一に考えていかなければならない前提になるのかなということです。
次に、先ほどのお話で、日本は地震国なのに大丈夫かという質問がありました。私は、実は昨日まで兵庫県におりまして、阪神・淡路大震災が来年1月で
5か年となりますので、5か年の検証事業、復興の町作りは安全にやられているかどうか、阪神・淡路大震災を振り返って、今後我々はどのような防災対策・危
機管理体制を考えればよいか、といった検証事業と国際シンポジウムをやることになって、その作業のため兵庫県に行っておりました。阪神・淡路大震災の被害
が非常に大きかったのは家屋などが地表の軟弱な地盤の上にあったからです。同じ兵庫県でも、地盤の固いところはあまり被害がなく、建物にもそんなに大きな
被害はありませんでした。私自身の家も木造の家であり、もうこれは死ぬかというほどの揺れがありましたが、比較的地盤が良かったので、幸い家は壊れません
でした。
一方でいうと、原子力発電所は固い地盤の上に乗っているから大丈夫だという議論にもなります。では、地下はどうかというと、地下はもっと揺れが小さ
い。この地震は、六甲山の花崗岩帯の中で起っているのですが、六甲山の下をトンネルで抜いて、新幹線が走っています。地震で断層が動いたといわれていると
ころを、新幹線がまたいでいるところがありますが、この六甲山中の新幹線のレールは全く動いていないと言われています。上塗りの壁は、断層をまたぐところ
で剥げているのですが、ご承知のように、レールは全く大丈夫だった。つまり、地震の揺れというのは地表だと大きいが、地下では非常に小さい。そういう性質
があります。
それからもう一つ、先ほどガラス固化体の話がありましたが、ガラス固化体というものは、高レベル放射性廃棄物をキャニスターという金属容器の中に入
れてガラスに固化したものです。キャニスター自身は1cmくらいの厚さなのですが、地下に隔離するために、厚さ20cmから30cmくらいの、チタンなど
の入っている鋼鉄でくるみ(オーバー・パック)、さらに緩衝体、ベントナイトという粘土を間に詰めながら埋めるという、そのような方法をとります。
20cmから30cmの厚さのオーバー・パックは、まさに鋼鉄そのものであり、地震で幾らゆすっても、全く壊れることがない。
では、断層があった場合に変形してちぎれることはないのかということですが、これは、そういうことのない場所を捜して埋めるので、そのような心配は
ないのです。それはどういうふうにしたら分かるかというと、例えば、金属の塊は、力を掛けて押し潰すと、何%か歪みが掛かるとひびが入る。ところが、周り
の岩石は、1%も変化すれば、すぐに割れてしまいます。金属は1%では割れません。断層の破砕帯といいまして、断層の両側には石が壊れているところがあり
ます。その石が壊れている場所を避ければ、金属は絶対に壊れないということになります。ですから、そういうところを見つけることは、簡単にというか、合理
的にできることなのです。
少なくとも、地震動については、全く心配はない。ただ、そうは言っても、活断層が、直に処分場をまたいでしまいますと、万が一に固化体が切れてしまうようなことがあるかもしれないので、そういうところは避けて処分場所を選ぶということです。
次に、地下水の中で腐食してしまうのではないかという疑問がありました。これについても、今地下の状態をいろいろ調べたりしています。先ほど石橋先
生が言われた、地下研究室をこれから作るというのは、地下の地下水などの状態を確かめるために作るものです。今までに私どもが調べたことを申しますと、深
いところの地下水は、アルカリ性・還元性をもっており、腐食しません。腐食するというのは、空気に触れたり、酸化性のところで腐食するので、それがなけれ
ば腐食のしようがないのです。例えば、地下に埋めてある遺跡などでも、銅鐸などがそのままの形で、いろいろなところで残っています。そういうわけで、アル
カリ・還元性のところを捜して埋めることになっていますから、腐食することはまず考えられない。しかし、それでも1,000年も経ったら、どこかが腐食す
るかもしれないという前提にたって、安全性を考えようということになっています。
次に、仮に鉄のオーバー・パックに割れ目ができたりして、直接、地下水がガラス固化体に触れたとします。ガラス固化体は、ガラスで固めたわけですの
で、その中で放射性核種は、分子の中に取り込まれているような形になっていますので、それが水に漬かったからといって、ただちに外に出てくるわけではあり
ません。例えば、ビール瓶を水に漬けたら水が茶色になるかというと、そうはならないように、ガラス固化体で核種は分子の中に入っています。ただ、ガラスそ
のものが地下水の中に溶脱したとすると、その溶脱部に含まれていたごく微量のものが地下水に溶けて出ることはあり得ます。それがあり得るということを前提
として、安全性を考えようとしているわけです。
先ほど言いましたオーバー・パックという、鋼鉄の容器の上を粘土でくるんみます。粘土は、非常に面白い性質をもっておりまして、水を吸うと膨れま
す。この鉱物の結晶は、ちょうど雲母のように薄い層状で、化学組成で言いますと水とか水酸基をこの層間に含んでいます。それが30オングストロームくらい
膨らみますと、その中に核種など大きな分子も取り込まれてしまいます。人形峠などでウラン鉱床がどのようにできたかということを調べてみますと、そういう
粘土の中に、とりこまれた形でウラン鉱床ができてくるということが分かっています。そういうふうに核種が仮に地下水に出た場合に、またその粘土鉱物の中に
取り込まれてしまう。そのように二重、三重の、多重防護といいますが、そのようなことで安全が保たれると考えています。
もう一つは、いわゆる地層処分の非常に大事な点は、私たちの言葉で言いますと、地質恒常性ということで、これは、地下の環境は一定のまま、非常に長
い間保たれている。例えば、日本の河川などが大体、この辺りのもそうですが、普通500-600万年前にできたものが多いのです。そうすると、その500
-600万年前のまま、地下水の状態が残っているということが分かっています。地下の環境そのものは、もともとが非常に長期間にわたって安定に保たれてい
ること、そして、まわりのものを貯蔵、捕獲しておくという性質があるものですから、このことを利用して、地層処分を行うのが一番よいということだと思うの
です。
先ほど、課長の青山さんの話の中で、地層処分は一番進歩した方法と書いてありますが、実は進歩したというよりは、一番原始的な方法なのです。一番安全な方法というのは、そういうものだと思います。そういうふうに考えていただきたいと思います。
(土屋)
はい、どうもありがとうございました。具体的な疑問について、地層処分やガラス固化体の安全性について、詳しくお話いただきましたが、パネリストの方から何かありますか。はい、平野さんお願いします。
(平野)
今のようなやり方を、私は、説得工作だというのです。
そのような言い方をしています。
そうではなくて、今日のシンポジウム、地元の人たちがどのような意見をもっているのか、それを議論するには、どういうことに焦点を当てて、議論し
あっていけばよいのか。そういうことではないのかと理解しております。ところが、今の場合は、徳山先生の話は、全く問題は解決済みであって、これが最善で
あるということの説明だけに時間をとられる。そういうことでは、折角、このような機会が台なしになってしまうのではないかという気がしてならないのです。
(土屋)
徳山さん、手が上がっておりますね。では、一言。
(徳山)
私は、説得しようとして言っているつもりはありません。皆様から疑問があったら、それに答えるというのが私どもの役目ですから、分かりやすく説明しましょうというのが私の立場ですから。
今、説得して、反対の意見をいうななどとは、私は一言も言っておりませんが。
(平野)
意見を言うなとは言っていないのですが、今大学の先生がそのような話をしてしまうと、後は一般の素人の人たちが、どちらかというと意見を述べて難く
なるわけです。徳山先生が具体的に述べられたものの中で、他の学説がいっぱいあるということも承知しております。ただ、ここはそういうものを議論する場で
はなく、現実に発生しているもの、そのことについては、我々は反対をしていても責任はあると感じております。それをどうやっていくかということを議論し
合っていくということは必要だということで、こういう席にも臨んでいるわけです。そういうことで言えば、できるだけ、むしろ高レベル廃棄物処分懇談会な
り、バック・エンド専門部会なりの専門の先生方には、私どもの意見をよく受け止めて、それを次の専門部会なりで議論をする材料にしていただいた方が好まし
いのではないかと思います。時間的に余裕があるのであれば、150人を超える人たちがここに集まっているのであり、中には時間的な余裕がなくて、応募でき
なかった人もいると思います。そういう人たちの発言の時間にできるだけ充てられた方がよいのではないかという感じがしております。
それから、もう一つは、やり方が変ったとの話を、神田先生が言われましたが、たしかに批判的な方々もいろいろな場に出るようにはなってきましたが、
それがどういう形で選ばれているかということがハッキリしていないわけですね。それからもう一つは、成案ができた後で、意見募集が行われるようになりまし
た。高レベル廃棄物処分懇談会では、半年近く意見募集の期間をとられて、ちょっと長すぎるくらいの感じさえ受けました。他の原子力委員会でもいろいろな意
見の募集をしているわけですが、成案を発表すれば、その日から30日で締め切ってしまうわけです。青森では、発表になったというニュースを聞いて、それを
手に入れてといえば、4、5日経過してしまいます。それを読み込んで、疑問があっても、疑問を問いただす場がないという面があります。さらに、800字以
内という字数制限、大学へでも行っておれば、字数の制限には慣れているのでしょうが、あるいは江波戸さんみたいに、原稿を書かれている人は慣れているので
しょうが、私どもは先ほども10分でしゃべれるかと思ったら、4つのうち3つしゃべったら終わりになってしまうというようなこともありますので、そういう
時間的ゆとりのある意見の募集の仕方、これもやはり、相互交通の中に入れてほしいとということを申し上げたかったわけです。
(土屋)
分かりました。時間的ゆとりなどもよく考えて、やっていくということなども、事務局に要望したいところだと思います。
さて、いまお話がありましたように、会場の方の意見がたくさん届いております。会場の方からもご意見を伺いたいと思いますが、先ほどからいろいろと
お話の出ている中で、情報公開に関しての話題が非常に多いと思いますが、情報公開に関して、書いて下さいました佐藤さんのご意見を紹介したいと思います。
「一般の方々への情報不足により不安感を持つのが普通と思う。したがって、国などの責任により、情報公開と分かりやすい説明が必要と思う。」要約し
たご意見の説明ですが、佐藤さん、これに付け加えて何かおっしゃりたいことがございましたら、前の方へ出ていただいて、ご意見をマイクでお話しいだたきた
いと思います。
(佐藤)
佐藤でございます。今回のシンポジウムに参加しまして感じたことを述べたいと思います。
先ほどからパネラーの方々が、公開とは何かということで、平野さんが、もっと議論すべきであると。私も確かにそう思います。しかし、徳山先生です
か、このような機会にいろいろな情報を教えていただくこと、これも非常に大きな成果であると思います。
先ほどパネラーの方で、原子力は資源の乏しいわが国にとって、エネルギー・セキュリティの面から、また、地球温暖化問題に対する有効性の面から、今
後ますますの利用が進められていく必要があるとおっしゃっておられましたが、私もそう思っております。
そのためには、放射性廃棄物の処分問題は、安全面、技術面なども含め、解決すべき大きな課題であると思っております。放射性廃棄物は、原子力発電を
開始したときから発生してきているものであり、現実的に存在するものでありますから、最良の方法で処分する必要性があると思っております。その処分方法な
どについて、電気事業者や国などが、その処分技術の開発に取り組んできているものと思いますが、その取り組み方が、一般の方に、全く見えてこなかったとい
うことも現実ではないかと思っております。特に、高レベル放射性廃棄物の処分については、地層処分ということ、また、長期間にわたり、安全性が確保されな
ければならないこと、これらのことについては、概念としては理解できますが、技術的には、どこまで研究が進んでいるものなのか、今日のシンポジウムで一部
聞かせていただきましたが、このように情報が見えない中で一般の方々が不安感をもつのは、普通のことではないでしょうか。この不安感を取り除くためには、
国などが、広く情報を公開するとともに、今までの研究開発の成果を分かりやすく説明するなど、国民の理解を得る努力がこれからますます必要となってくると
思います。そして、あくまでも国民の理解を得て、着実に進めていくべきことではないだろうかと感じました。
(土屋)
はい、ありがとうございました。情報公開ということで、本当に、どのように情報を公開していったらよいのかということで、いろいろと意見が分かれるところだと思いますが、他に会場から意見のある方おられますか。はい、では、女性の方。どうぞ。
(山本)
山本です。先ほど、神田先生が過激なことを言ってもよいと言ったので、来てしまいました。今日はやめようかなと思ったのですが、神田先生がいろいろなことをおっしゃったので、じゃあということで。
1995年、EDFは、プルトニウムの資産価値をゼロとして計上しました。1998年2月、イギリス王立協会は、分離プルトニウムの管理という論文
の中で、プルトニウム、再処理政策に疑問を呈し、その中で世界には現在、140トンの分離プルトニウムがあり、アメリカ、ロシアの解体兵器から今後10年
間に出る核兵器級のプルトニウムは、150から200トンとなります。この余剰プルトニウムをもってして先生のおっしゃった論文が生きてきます。
つまり、MOX燃料ですが、これは非常に不安定であります。ウラン燃料に比べMOX燃料は特質が違います。これを軽水炉で燃やすということは、非常
な問題があって、世界は、日本は大丈夫かなと憐れんでいる状態なのです。先生は、CO2のことを言われましたが、原発から1日に出る排熱の量はものすごい
ものです。原発があるところの砂浜は白く、死んでしまいます。生物は死んでしまうのです。ヨーロッパは、サステイナブル・エネルギーに変換しようとして、
右手に再生可能エネルギーにシフトしようよ、そういう動きの中で、では今ある処分すべきものをどうしようかという論議をしているのです。それが正当なやり
方です。しかし、今の日本は、右手にMOXをやろうとしています。原発を推進していって、そして左手に処分をどうしようかと。平野先生がいみじくもおっ
しゃいました。これから出るもの、今まであるもの、考え方が全く違います。私は、土屋さんがそういう議論はやめましょうねとおっしゃったので、やめようか
なと思ったのです。でも、神田先生や徳山先生が安全性について、一生懸命に言うものですから、つい、来てしまいました。すみません。
科学技術庁、通商産業省、資源エネルギー庁、原子力事業者、彼らは原発は安全だと言います。しかし、もし、事故が起きたら、私たちは彼らを「未必の
故意」として、HIV訴訟がそうだったように、訴えることができます。私たちにもし、何かあって死んでも、子孫や心ある人々はきっと訴えるでしょう。彼ら
は、安全だと言いながら、人口の少ない、産業のない経済的に困窮している地域を選んで設定していきます。それはなぜか。安全だからでしょうか。自治体は、
ノーといえません。巨大な利権の中で、ノーといえないのです。県職員の方はきっと気持ちの中でいろいろなことを抱えていらっしゃると思うのです。でも、い
えないのです。担保は、青森県民の命なのです。分かりますか。阪神大震災のとき、国家は何もしてくれなかった。六ケ所で事故が起こったとき、どうなるので
しょう。原発は、原子力損害の賠償に関する法律、1961年制定、85年にはやっと最大300億円の補償限度額が制定されたのです。ところが、事業者の中
で保険プールというのがありますが、その中では、1,000億円の補償がなされるのです。これは事業者に対してです。その700億円はどうなのでしょう
か。獲らぬ狸の皮算用で、700億円儲かってしまうのかなと考えてしまいます。この法律や保険は、我々を守るためではなく、原子力事業者や保険会社を保護
するために作られているのではないでしょうか。
ナトリウム漏れ事故の後、科学技術庁は実験をしたのです。そして、あわや水素爆発が起こる寸前であったということを認めたのです。なぜなら、コンク
リートは50%が水なのです。彼らのような、トップ・レベルの頭で、素晴らしい頭で、どうして分からないのかが分からないのです。本当に子供のことを考え
るのだったら、原子力発電所は止めなければいけません。
これから伸びていく企業は、どういう企業でしょうか。それは、ディマンド・サイド・サービスですね。いわゆる省エネをどうやっておさえるか、どうリ
サイクルしていくか、そういった企業が生き残っていくのです。遺伝子組替えなどに対して抵抗していくような社会正義をもつ会社を我々は支持していくので
す。そのような動きを踏まえて、この日本の神田先生のような、徳山先生のような頭脳があれば、環境汚染のない再生エネルギーシステムは、簡単ではないが
きっとできると思います。私は、先生たちの心の中の良心を信じております。科学技術庁の頭脳とともに、良心を信じています。私たちの稚拙な意見ですが、ど
うか心に止めておいていただきたいと思います。
(土屋)
山本さん、ありがとうございました。
神田先生、一言どうぞ。
(神田)
実は、プルトニウムも再生エネルギーなのです。使用済燃料を使ってもう一度やろうという、そこを一つ訂正しておきます。
全体として先ほどからお伺いしていて、国民の民意を聞くとか、公開するとかというのが、やはり日本は下手だなと思います。たしか、処分懇のことでし
たが、処分懇の後、意見募集をして、分析して、分類して、結局、その結果、次のときのヒアリングはどうしようかということが、今長計のテーマの中に挙げら
れているのですが、結構難しいものがあって、日本人は慣れていない。例えば、アメリカやカナダではEISというものがありまして、
Environmental Impact Statement
ですが、これが出されると大量のコメントがくるのです。6か月間ほど分析に何10人かが掛かる。私も若干その分析に携わったことがあるので知ってますが、
すごい国民の反応というものがあるのですね。そういうシステムに慣れているのです。日本人は、今皆さんがおっしゃるように、お上の言うことは、それに従っ
ていた方がいいというようなことに慣れていますから、急に役所が言ってくることへの対応に慣れていない。そのあたりのシステムがどこかで触れられないとい
けないと考えています。
それから、僕は、過激な意見といいますか、いろいろな人の意見を聞きたいと思います。やはり象牙の塔にいまして、政策を過ってはいけないと思います
ので、こういうシンポジウムにも積極的に参加して、直接生の声を聞いてそれに当りたいと思っております。
再生エネルギーについて、もし、機会があれば、幾らでも時間を割いてお話したいと思います。今、その研究をしておりますので。それから、私は最近、
損害賠償法のあるべき姿、という本を出しまして、専門誌とか、法律の専門の本にしか載っておりませんが、損害賠償で事業者を守るためというのは、2番目に
確かにありますが、それより、今度の大改正をご覧になったら分かりますが、国民を守るためのものに改正しました。
私は、もともと法学部出身でして、専攻は法律で、後に物理をやって、原子核工学をやって医学をやったという人間ですから、ずっと基盤は法律なのです
ね。それで今、後に勉強したいろいろなことを使って、法律改正というのを、かなりの勢いでやっているつもりなのですが、それでいきますと、今おっしゃった
ことは、こういう意見が出るということは、我々がやっている努力がちゃんと知られていないなということを、今思っております。
どうもありがとうございました。他のパネリストの方々も、公開について、いろいろ意見を言われたことに対しては、是非とも長計その他の席で反映していきたいと思っております。
(土屋)
はい、ありがとうございました。会場の方からその他にもたくさん記入用紙に記入していただきました。これらを是非ご紹介したいと思います。
まず、佐藤さん。
「孫、子の時代のことを考えて、廃棄物処理を前向きに考えてほしい。エネルギー教育を充実させるなど、目に見える方策を打ち出して下さい。」ごめん
なさい。時間がないので、全部の意見をご紹介できませんので、部分的に要約してご紹介させていただいております。
もうお一方佐藤さん。
「放射性廃棄物の処分方法を確立し、将来の世代に負の遺産を残さないようにすべきである。」
それから芦野さん。
「国内での地層処分は可能だと考える。まっすぐみて研究し、専門的に検討し、国民的合意を得たうえで速やかに実現すべきことだと思います。」
次に林さん。
「原子力関連施設立地地域と電力消費地の放射性廃棄物処分を含む原子力政策に対する意識の温度差の解消、緩和に向け、国はPA、制度、教育等による具体的方策を講じてほしい。」
次に高坂さん。
「原子力の入口から出口まで、メリット、デメリット、それぞれその大小も含めた内容で、学校教育への取入れを要望します。」
その次は、小枝さん。
「エネルギー教育という面からの、国の一層の取組みを要望する。」
会場の方からは教育という点に関するご意見を幾つか複数でいただいております。
小牧さん。
「本日のシンポジウムのような活動が続けられることを希望します。」これが最後に来て、何か手前味噌のようなことになってしまったのですが。
(会場から)
「すみません。私、梅北ですが、梅北の書いたものを読んで下さい。」
(土屋)
ごめんなさい。梅北さんのものがありました。
「将来の子供たちは、大変可哀そうです。原子力政策を推進するときに、まず真っ先に今検討されている放射性廃棄物のことを考えていたのならば、今ほ
どの恐怖を子供たちは背負わずにいられたのに。今この問題をみつめながら原子力を推進することは、いかほど罪なことでしょうか。東北電力の須藤さんは、高
レベルの処分の技術的確保の必要性を説かれましたが、現在、放射性廃棄物が出て大変困っているからこのシンポジウムもあるわけで、まず元を絶つのが今一
番、最もやれることです。技術の過信はいけない。例えば、低レベル処分でも地震など、また、時間とともに、劣化などもあります。もうやめましょう原子力発
電は。」というご意見です。
次に、浅野さん。
「放射性廃棄物処分は、原子力開発利用を今後とも進めていくためには、解決しなければならない最大の課題。国民の理解を得ながら着実に進めていくべきである。」
それから、原田さん。
「原子力発電は、経済性に優れたエネルギーであり、日本にとって必要なものである。」
次に品川さん。
「原子力基本法と原発依存国策を、この辺で世界の趨勢に照らして見直すべきである。そして、電力の浪費中止、節電、原子力以外の方法によるエネルギーの開発に努めてほしい。」
次に河内さん。
「最終処分の問題では、原子力行政の出発点から国及び事業者が最終処分の見通しのないまま、原発の建設及び運転を推進してきたことに根本的な問題がある。」
それから渡辺さん。
「原子力施設設置の技術条件は、事前の予備調査で十分満足することを確認した後、立地申し入れを行うので、事後調査は精査し安心感をいただくためであるといえる。」
次に片桐さん。
「廃棄物処理費用を電力料金に早く入れてほしい。各廃棄物の範囲が不明確。」
ということで、本当にたくさんの意見をいただいたのですが、このほかに違う意見があるという方がおられましたらどうぞ。
はい、では手が上がっている方、どうぞ前の方に出てきて下さい。
(岩谷)
意見ではありませんが、青森市の岩谷と申します。私は、いつも原子力に関心をもっている者の一人として、今日参加させていただきました。ただいま、
いろいろご説明をいただき、原子力発電や医療分野で、さまざな廃棄物が発生しており、その処分方法、それから今後の計画についてもお話をいただき、大変勉
強になりました。私たちは、原子力の恩恵を被って、こうして生活をしている一人でございます。私の要望を二、三申し上げたいと存じます。原子力発電から発
生する廃棄物の処分費用は、原子力から利益を享受している私たち世代が負担するのは当然のことがでしょうが、私たちの孫やひ孫たちの将来の世代につけを残
すことがないようにしなければならないと思います。私は、この廃棄物処分の費用を電気料金の一部として負担することには賛成いたしますが、家庭の会計を預
かっている主婦として電気料金が上がるのをできるだけ抑えて下さることを、今日ご出席の国、電力会社の皆様方にお願い申し上げたいと思います。
次に、放射性廃棄物の処分については、最近問題となっておりますダイオキシンや産業廃棄物の轍を踏むことのないように、処分をどのようにこれから進
めていくのか、また、安全性はどのように確保されていくのか、先ほどから情報公開を望んでいる声がたくさんございます。どうぞ、これを十分公開していただ
きますようにお願い申し上げます。
それから、このようなシンポジウムは、今日で5回目ということで、青森がこのような場となり、私が勉強する機会を与えられました。今後もこういうことが開催されますと、国民の関心も高まり、幅広く広がっていくことにつながると思います。
先ほど、原子力発電の場所の生物が死んでいるようなお話の発言がございました。私は、たまたまフランスのラ・アーグに行って実態を見学してまいりま
した。そのそばには牛がのどかに草を食んでおりました。私たちはそこで、牛乳も飲み、チーズを食べ、そしてお魚も食べました。東海村では、さつまいもを皆
さんが作っています。私たちも、その農家で食べてきました。
どうぞ安全に、そして安心な、信頼のもてるエネルギー政策をこれからもお願いしたいと思います。
(土屋)
はい、ありがとうございました。
もう一つ、ご意見がきております。
肥後さん。
「今回青森市で、放射性廃棄物シンポジウムを開催していただき、弘前市から出かけて来ました。今年の弘前市(青森県)の夏は記録的な猛暑で、私の家
も二台のエアコンが唸りっぱなし、今日の青森市も浜風が少し吹くとは言っても、会場は省エネでした。暮らしの中で原子力発電は私は必要だと思っておりま
す。資源の乏しい日本では、火力(石炭も輸入)、水力(十和田湖の水での発電も)、地熱、風力、波力などの自然のエネルギーでは需要に追いつかないと思い
ます。電気料金も高くなるのでは、と私ども主婦は不安です。外国では原子力発電所の事故、閉鎖など、そして日本の技術を信じてきた私にとって『もんじゅ』
の事故、輸送容器のデータ改ざんにはがっかりしました。放射性廃棄物処分地を県民全員が『賛成』とゴーサインを出しても不安を感じます。反対する方々の意
見も、特に地元での暮らしが出来て、快く協力できる形で今後も進めてほしいということだと思います。都庁の下にとか、大阪府になどの意見もありましたが、
そんな無理なことを言わないで、次の世代を引き継ぐ子供たちの教育の中でも、お願いしたいと思っています。」
というご意見をいただきました。
さて、申し訳ありません。本当にたくさんの問題点があると思います。そのほんの一部分だけ今日、皆さんのご意見をいただきました。パネリスト、専門
委員のご意見もいただきました。でも、まだまだ、知らなければならないこと、知りたいこと、そして話し合っていきたいこともいっぱいあります。平野さんが
おっしゃったように、皆さんの議論を深めることが何よりも大事だと思うのです。
(石川)
私の発言の一部を紹介したときに、今日私のご近所の教授がきていると申しました。そのご発言をお聞きいただいた後におまとめいただけませんでしょうか。
(土屋)
では、どうぞ。ああ、ちょうど目の前にいらっしゃったのですね。
(品川)
私は、品川と申します。医者です。石川さんの先ほどのご発言に関連しまして、ちょっとコメントしたいと思います。東京などに行くと、六ヶ所村の問題
については、一般の市民はほとんど理解しておりません。何か青森県の知事が変なゴネ方をしたとか、そういうふうにしか、受け止められていないのです。電気
の問題、特に原子力発電による放射性廃棄物の問題は、日本人全体にもっと理解していただかなければならないと思います。
そのため私は、一つの提案を永年しているのです。これは木村知事にも申し上げたことがあるのですが、原子力発電による電力の消費量に応じて、日本を
六つか九つくらいの地域に分けて、それぞれの地域に放射栄廃棄物の永久処分地を考えていただくということを一度全国民に提案してみたら皆さん、もっと真剣
にお考えになっれるかと思うのです。日本を六つに分けますと。奇しくも、六ケ所に分かれるということです。
(土屋)
うまくオチがついて、お後がよろしいようでという感じなのですが。本当に、日本人全体に考えてもらいたい、理解してもらいたいということはそのとおりだと思います。そのきっかけとして、今日こういう会があったとお考えいただければ幸いです。
今日この場にお集まりいただいた方々、もしかしたら電力関係の方かなというような方もたくさんいらっしゃると思います。女性の方、主婦の方にもたく
さん参加していただきたいと思って、これまで平日だったものを前回と今回、土曜日に設けさせていただいたのですが、やはり広報の仕方などに問題があるの
か、まだ主婦の方たちとか、女性の方たちのご出席が少ないのが、ちょっと残念ではありますが、是非皆さんもご近所の方、それからお家に帰られて、奥さんや
お子さんや周りの方たちと、このようなシンポジウムがあって、このようなことが話し合われたのだということを、是非一人でも多くの方にお話していただきた
いと思います。それがこのシンポジウムを開いた意味でありますし、次の世代にこの問題を残してはいけないというのは共通の認識だと思います。この認識をお
持ちの皆さんには、是非一人でも多くの方にこのことをお話しいただきたいと思います。それをお願いしまして、今日のシンポジウムを終わらせていただきたい
と思います。
次のシンポジウムは、鹿児島で10月16日(土)の開催を予定しています。また、鹿児島方面にお知り合いがいらっしゃるようでしたら、このシンポジ
ウムに参加するといいよ、というふうに、声を掛けていただければありがたいと思います。なお、受付で配布いたしましたアンケートは、会場の出口でご提出い
ただきたいと思います。ご協力をお願いいたします。また、後日、別のアンケートも送付させていただく予定ですので、是非皆様のご協力をお願いいたします。
これをもちまして、第5回放射性廃棄物シンポジウムを終わらせていただきたいと思います。本日は長い時間にわたりまして、本当にありがとうございました。

▣ 로카쇼무라· 도쿄= 글 김창석 기자 kimcs@hani.co.kr
▣ 황자혜 전문위원 jahye@hanmail.net
▣ 사진 류우종 기자 wjryu@hani.co.kr
제2차 세계대전이 한창이던 1940년 말 미국 캘리포니아대학 버클리 실험실.
시보그·케네디·왈루 등 세 명은 우라늄의 원자핵에 입자 가속기로 고속의 중양자(보통의 수소원자핵의 2배 무게를 가진 수소핵)를
충돌시키는 실험을 되풀이했다. 한순간 그때까지 전혀 알려지지 않았던 새로운 원소가 발견됐다. 시보그는 1941년 2월23일부터
이틀 동안 이뤄진 실험을 통해 이 새 원소를 최종 확인했다. 자연에 없던 원소가 인공적으로 합성된 이 순간, 과학의 역사는
코페르니쿠스적 전환을 이뤘다. 원소의 이름은 ‘플루토늄’으로 결정됐다.
△ 세계 최대의 핵복합단지 시설인 로카쇼무라 시설 전경. 150m 높이의 배기굴뚝 2개는 각각 우라늄농축공장과 고준위방사성폐기물저장관리센터와 연결돼 있다.
세계 최대의 핵복합단지
자연에 존재하는 원소는 원자번호 92인 우라늄까지다. 이것에 인공적으로 양자나 중성자를
더해 만들어진 새 원소 1호의 이름은 넵투늄(93번)이다. ‘우라늄(천왕성 ‘Uranus’에서 유래)의 바깥쪽’이라는 뜻으로
넵튠(해왕성)에서 이름이 붙여졌다. 94번 원소는 순서대로 명왕성(플루토)에서 이름이 지어졌다. 플루토는 원래
‘저승(지옥)왕’이라는 뜻이었다. 그리고 정말 지옥은 얼마 가지 않아 현실로 나타났다.
1945년 8월10일 미국과 전쟁을 치르던 일본의 나가사키에 핵폭탄이 떨어졌다. 플루토늄을
원료로 사용한 최초의 핵폭탄이었다. 폭탄에는 6.3㎏의 플루토늄이 쓰였다. ‘저승왕’이 바로 ‘나가사키 지옥’의 주역이 된
것이다. 플루토늄 폭탄 ‘팻맨’(Fat Man)은 순식간에 2만여 명의 목숨을 앗아갔고, 20만 명에 가까운 이들이 평생 치유할
수 없는 원폭병 환자가 됐다.
그런데 세계 유일의 플루토늄 폭탄 피해국
인 일본이 최근 ‘지옥왕의 재림’을 꿈꾸고 있어 전세계적인 우려가 높아가고 있다. 핵무기의 재료 물질인 플루토늄을 일본 국내에서 대량 생산해 국내에 쌓아두는 체제로 이미 접어들고 있기 때문이다.
일본의 악몽이 현실화하고 있는 아오모리현 로카쇼무라에 <한겨레21> 취재진이
도착한 것은 지난 1월28일 오후였다. 인천공항을 출발한 비행기가 2시간 반을 날아 아오모리현 공항에 내렸다. 아오모리현은
한국에는 온천으로 이름난 관광지 정도로만 알려져 있지만, 에너지와 관련한 국가 핵심시설들이 밀집해 있다. 국가의 전략적 요새인
셈이다. 특히 핵복합단지가 있는 로카쇼무라 근처에는 국가 석유비축 기지와 미 공군기지, 풍력발전 연구센터 등이 반경
50~100km 안에 모두 모여 있다.
아오모리현에서 동쪽으로 한 시간 정도 기차를 타고 가자 노헤지라는 작은 마을역이 나왔다.
우리나라로 치면 읍이나 면사무소 소재지 정도의 마을이다. 여기서 버스나 승용차를 이용해 다시 고불고불한 좁은 아스팔트 길을
1시간 정도 헤쳐나가야 로카쇼무라가 나온다. 최근 몇 년 사이 가장 많은 눈이 내렸다는 길은 양옆으로 2m 이상씩 쌓아올린 눈
때문에 폭을 넓히고 경사를 낮춘 봅슬레이 경기장처럼 보였다.
로카쇼무라 핵시설은 광대한 규모로 취재진을 압도했다. 세계 최대의 핵복합단지로 일본 최대
섬인 혼슈의 동북쪽 끝인 시모키타반도 어귀에 있는 로카쇼무라 핵복합시설 단지의 면적은 100만 평이 넘는다. 도쿄에서 700km
북쪽에 있으며, 위도로는 북한의 신의주와 비슷하다. 어느 한 곳에서 시설을 전체적으로 조망하기 어려울 정도로 넓은 규모였다.
주변에 높은 곳이 없는 지형적인 조건에 더해 일반인들의 접근을 원천적으로 막아놓은 보안 시스템 때문에 중요 시설은 홍보센터에
놓인 자료를 통해서만 구체적인 모양새를 확인할 수 있었다.
한국은 핵폐기장에만 관심 쏟았으나…
이곳에는 우라늄농축 공장, 고준위 방사성폐기물 저장관리센터, 사용후 핵연료 재처리 공장,
중·저준위 방사성폐기물 매설센터 등 이른바 ‘핵연료 사이클’의 주요 시설이 모여 있다. 일본은 건설을 위해 21조4천억원이라는
천문학적인 돈을 쏟아부었다. 시설 한가운데에 서 있는 150m짜리 배기 굴뚝 2개는 각각 우라늄농축 공장과 고준위 방사성폐기물
저장관리센터와 연결돼 있다.
최근 재처리 공장의 본격 가동을 앞두고 이곳에 쏠리는 세계적인 관심이 부담스러운지
일본원연(주) 쪽에서는 취재진의 접근에 상당히 민감한 반응을 보였다. 정문에서 사진 취재가 시작되자마자 정문 경비를 맡은
경비원들이 취재진에게 달려왔다. 홍보센터에서도 1990년대 초·중반 중·저준위 폐기물 시설의 안전성과 선진성에 초점을 맞춰
호의적인 취재를 한 한국 언론을 대하던 태도와는 사뭇 달랐다. 홍보센터의 직원 한 명이 “전망대에서 보는 것은 괜찮지만 취재는
곤란하다”고 난색을 표했다. 취재가 이뤄진 바로 전날인 1월27일 미국 민주당 의원 6명은 미국 주재 일본 대사인 로죠 가토를
통해 일본 정부에 보낸 서한에서 “핵무기로 전용될 수 있는 플루토늄을 계속 추출하는 로카쇼무라의 재처리 공장 가동은 국제안보와
핵 비확산에 중대한 위협이 될 것”이라고 주장했다. 비록 야당이라고는 하지만, 미국의 반응은 일본으로서는 첫 번째 고려사항이 될
수밖에 없다.
그동안 한국 내 관심은 주로 로카쇼무라의 중·저준위 방사성폐기물 매설시설에만 쏠려 있었다.
이곳 중·저준위 핵폐기물 매설센터는 우리나라가 건설하려는 것과 다른 방식인 ‘공학적 천층처분 방식’을 쓰고 있다. 일본 전역의
54기 원자력 발전소에서 배로 운송돼오는 중·저준위 핵폐기물을 200ℓ들이 드럼통에 담아서 지하 12m의 땅속에 콘크리트로 만든
저장고에 채운 뒤 그 위에 점토와 흙을 각각 2.4m 깊이로 덮는 식이다.
그러나 환경적·군사적인 측면에서 중·저준위 방사성폐기물 매설센터와 비교할 수 없을 정도로
중요하고도 위험한 것이 사용후 핵연료 재처리 공장이다. 세계의 이목이 쏠리는 것도 앞으로 일본이 이곳에서 사용후 핵연료의 대규모
재처리 과정을 통해 대량의 플루토늄을 생산해 차곡차곡 쌓아나갈 것이기 때문이다. 일본은 올해 상반기부터 2007년 5월까지
이곳에서 430t의 사용후 핵연료를 재처리해 4.3t의 플루토늄을 생산하겠다고 밝힌 상태다. 국제원자력기구(IAEA)의
기준(핵폭탄 1개를 만드는 데 드는 플루토늄 양은 8㎏)에 따라 계산하면 무려 500개 이상의 핵폭탄을 만들 수 있는 분량이다
북한 플루토늄은 새발의 피?
그동안 로카쇼무라 핵복합단지의 운영주체인 일본원연 쪽에서는 이 공장에서 열화우라늄을 사용한
핵 재처리 시험가동을 해왔다. 그러나 이제 곧 미무라 아오모리현 지사, 하시모토 로카쇼무라 촌장, 고지마 일본원연 사장 사이에
‘안전협정’이 체결되고 현 의회의 청문회가 끝나면 본격적인 가동, 즉 실제 사용후 핵연료가 대규모로 재처리되기 시작한다. 일본
쪽에서는 이를 본격 가동에 앞선 ‘시험가동’(‘액티브 시험’이라는 표현을 쓰기도 함)이라고 부르지만, 2007년 이후 계획 중인
연간 사용후 핵연료 처리량이 ‘시험가동’의 2배인 800t임을 고려해보면 올해 이뤄질 재처리 절차는 본격 가동이나 마찬가지다.
비핵(무기보유) 국가로는 최초의 상용 재처리 시설을 가동하는 일본은 지난해 말 기준으로
이미 43.1t(국내 5.7t, 영국·프랑스 37.4t)의 플루토늄을 확보하고 있는 ‘플루토늄 보유 대국’이다. 재처리 공장이
가동되면 ‘보유대국’에서 ‘최대 생산국이자 보유국’으로서 그 위상과 영향력을 높이게 된다. 북한이 40㎏ 정도의 플루토늄을
보유하고 있는 것으로 추정되는 데 비해, 일본은 이미 4만3천㎏의 플루토늄을 보유하고 있고 앞으로도 매년 8천㎏ 이상의
플루토늄을 생산하게 되는 것이다. 북한이 보유하고 있는 플루토늄의 양이 동북아시아를 들썩이게 하기에 충분하다면, 일본이 생산하게
될 플루토늄의 양은 그야말로 지구를 들썩이게 하기에 충분하다. 그런데도 일본은 한국이 실험 과정에서 우라늄 0.2g을 분리하고
80mg의 플루토늄을 추출했다는 사실이 알려지자 다른 나라들처럼 과민반응을 보인 바 있다.
플루토늄급 핵무기가 실제 만들어지더라도 순도가 높지 않기 때문에 실제 위협적이지도
실용적이지도 않다고 주장하는 일부 전문가들이 있다. 그러나 일본 국립 과학학술원 보고서는 이와 관련해 이렇게 결론 내린다.
“실제 플루토늄은 동위원소를 어떻게 조합하더라도 핵무기를 제조할 수 있다. 원자로급 플루토늄은 ‘조기 점화’의 가능성이 매우
높으며 조기 점화는 폭발력을 크게 줄일 수 있다. 이는 조기 점화에 의해 핵폭탄이 분산 폭발돼 연쇄 핵분열 반응이 약화될 수
있기 때문이다. 그러나 계산에 따르면 최악의 조기 점화가 발생한다 하더라도 나가사키 원폭과 유사한 아주 간단한 장치에의한
폭발력도 수천t에 이른다.” 로스앨러모스에서 핵무기를 설계한 칼슨 마크 역시 “가장 간단한 형태로 핵무기를 제조할 때 핵무기급
플루토늄과 원자로급 플루토늄에는 기능상의 차이가 없다”고 밝힌 바 있다.![]()
△ 태평양과 오부치 호수 사이에 설치돼 있는 핵시설 운반용 크레인 모습. 54개의 원자력발전소에서 나온 사용후 핵연료와 중·저준위 핵폐기물이 도착하면 이 크레인이 항만까지 이동한다.
일본을 ‘준핵국’으로 분류하라
이 때문에 일부 전문가들은 일본을 ‘사실상의 핵무기 보유국’ 또는 ‘준핵국’으로 분류해야
한다고 주장한다. 원료·능력·기술·자본·경험 등 핵무기를 만드는 데 필요한 모든 것을 갖췄기 때문이다. 1994년 미국
상원군사위원회 샘 넌 위원장(민주당)은 일본의 핵무장 가능성에 대해서 “일본은 능력과 기술과 플루토늄을 갖고 있다”며 “핵무기를
매우 신속히 개발할 수 있다”고 말했다. 나카소네 전 일본 총리는 2004년 펴낸 회고록 <자성록 - 역사 법정의 피고가
되어>에서 일본방위청 장관 시절인 1970년대에 이미 일본의 핵무장 가능성을 연구한 결과 “5년 안으로 당시 가격으로
2천억엔이면 가능하다는 결론을 얻었지만 현실적으로 국토가 좁아 핵실험장을 만들 수 없기 때문에 불가능하다”고 밝힌 바 있다.
그는 또 “만일 미국이 일본을 핵으로 지켜주지 않는다면 얘기는 다르다”면서 “일본의 핵무장 가능성도 검토해야 한다”고 덧붙였다.
일본은 핵무기를 만들 수 있는 조건 가운데 ‘정치적 계기’를 얻지 못했을 뿐이다.
1974년 ‘비핵 3원칙’ 발표로 노벨평화상을 받은 사토 에이사쿠 총리는 한편에서 핵무장 가능성을 검토하는 비밀 보고서를
만들었다. 일본의 군사 전문가 에바타 겐스케 역시 “핵무기 개발의 마지막 족쇄인 지도자의 의지라는 것은 언제 바뀔지 모른다”고
털어놓은 적이 있다. 그린피스의 숀 버니 반핵정책국장이 “북한의 핵 위협보다 더 위험한 것이 일본의 핵 위협”이라고 주장한 것도
이런 맥락과 닿아 있다.
재처리의 규모가 커져 플루토늄을 전용하는지를 감시하는 시스템이 허술해질 수 있다는 분석도
있다. 일본은 대외적으로는 ‘사찰의 모범국’이라고 평가받고 있지만, IAEA의 안전조치는 1% 정도의 플루토늄을 측정 오차
범위에 둔다. 다시 말해 사용후 핵연료 800t을 재처리해 추출되는 플루토늄 8t의 1%, 즉 80kg이 어디로 사라지더라도
IAEA는 검증하기 어렵다는 것이다. 미 의회 기술평가국(OTA)는 1995년 7월 공개한 ‘핵 안전관리와 IAEA’라는
보고서에서 “연평균 100t 안팎의 핵연료가 재처리될 경우에는 한계에 봉착한다”면서 “로카쇼무라에 건설되는 핵재처리 설비가
재처리할 수 있는 용량이 너무 큰 것이 문제”라고 지적했다. 실제로 사라진 예도 있었다. 일본 문부과학성은 2003년 1월18일
연구시설급 규모인 도카이재처리시설에서 플루토늄 206㎏이 행방불명됐다고 발표했다.
핵 재처리에 쓰겠다는 말은 환상
이런 군사적 위협론에 대해 일본 정부는 “플루토늄 생산은 에너지 공급을 위한 발전용”이며
“잉여 플루토늄이 생기지 않도록 플루토늄이 생기는 수준에 맞춰 사용하겠다”는 플루토늄 소비 계획을 내놓고 있다. 무기를 만들기
위한 것이 아니라 핵 재처리 과정에서 모두 쓰기 위한 것이라는 설명이다. 그러나 이런 설명 역시 탁상공론일 뿐이다. 일본이
플루토늄을 주요 연료로 해서 운용하겠다고 밝혔던 이른바 ‘꿈의 원자로’인 몬주 고속 증식로는 1994년 4월에 가동을 시작했지만
95년 12월 나트륨 누출 사고가 생겨 가동이 중단된 뒤로 10년 이상 가동을 못하고 있다. 일본은 아직도 고속 증식로의
상용화·상업화 주장을 세계에서 유일하게 고집하고 있다. 2030~2050년 상용화 시점도 들쭉날쭉이다.![]()
△ 아오모리현 지방방송에서는 로카쇼무라 핵시설의 안전성에 대한 광고가 일상적으로 나온다. 이를 통해 핵 관련 시설이 안전하다는 대중적인 이미지를 심어주려고 한다.
고속 증식로에 대한 연구는 50년이 지났지만 언제 연구가 끝날지 모르는 상태다. 연구
과정에서 냉각재인 나트륨 관련 사고가 자주 일어나는 점과 경제성이 떨어진다는 점 등 때문에 다른 나라들은 이미 계획 자체를
포기한 상태다. 특히 화재와 폭발 사고가 많았다. 프랑스는 ‘슈퍼스닉스’라는 세계 유일의 실증로를 건설하고 실용화의 선두에
섰으나 고장으로 1990년 7월 이후 운전을 중지했다. 미국은 1970년대에 이미 포기해 사용후 핵연료를 영구 처분해왔다. 고속
증식로 상용화가 요원해진 뒤로 일본은 플루토늄·우라늄의 혼합 핵연료인 ‘목스’(MOX)를 경수로에 쓸 수 있도록 하겠다고
공언해왔지만, 경수로 운전 허가 문제 등에 막혀 언제 시작할 수 있을지 알 수 없다.
재처리로 플루토늄을 생산하는 방식은 농축 우라늄을 수입하는 것과 비교해볼 때 비용이 6배나
많이 든다. 사용후 핵연료 100t을 재처리했을 때 우라늄과 플루토늄을 회수한 뒤 죽음의 재인 핵분열 생성물이 2t이나
생겨난다. 이는 환경에 재앙적 수준의 방사능 피해를 불러올 것이라는 게 환경 전문가들의 지적이다. 친환경적이지도 않고 경제적인
효율성도 떨어지는 플루토늄 생산과 축적을 고집하는 일본의 속내에 대한 세계적 차원의 문제 제기가 여기저기서 불거져나올 가능성이
높아지고 있다.
일본의 핵군비 확산은 남북한은 물론이고 베트남·대만·필리핀 등 아시아 각국의 핵군비
확산으로 이어질 가능성이 높다. 동북아 핵경쟁의 뇌관이 터지고 있는 셈이다. 한국의 보수세력은 로카쇼무라의 가동으로 생겨나는 핵
위협에 대해서 “이에는 이로 대응해야 한다”고 주장하고 나설 공산이 크다. ‘핵 도미노 현상’이 현실화하고 있는 셈이다.
1993년 2월23일은 플루토늄의 52번째 생일이었다. 미국 캘리포니아주 버클리 시의회는
‘플루토늄이 없는 세계를 지향하는 버클리 결의’를 채택했다. 비정부기구(NGO) 그룹 ‘플루토늄 프리 퓨처’의 청원을 받아들인
결과였다. 이 결의에 따라 버클리 시내에서는 영원히 군사·민간 부분을 통틀어서 플루토늄을 생산하거나 이용할 수 없게 됐다.
‘자기의 땅에서 유배당한 자’의 숙명을 지닌 플루토늄이 태평양을 건너 아시아에 죽음의 그림자를 드리우고 있다.
우라늄을 태워 만든 플루토늄
핵분열의 원리=
핵분열이란 특정한 종류의 원자핵이 중성자와 충돌한 뒤 불안정해져서 가벼운 원자핵들로 분열하면서 질량이 줄어들고 에너지가 발생하는
핵반응이다. 화석 연료의 연소 과정에서 석탄의 탄소 원자와 공기 중의 산소 원자의 화학반응으로 방출되는 열과 비교하면 5천 배의
열을 방출한다. 핵분열의 속도를 늦추면 원자력 발전이 되고, 분열을 빨리 한꺼번에 일으키면 핵무기가 된다. 그것이 바로 핵의
양면성이다. 핵분열의 결과 방사성 물질이 생기는데, 이 물질은 무색·무미·무취해서 인간의 감각으로 피폭 여부를 알 수 없다.
플루토늄의 생성 경로=
우라늄 235는 천연 우라늄 상태에서 0.7~0.8% 정도 포함돼 있는데, 우라늄 235의 비율을 높이는 게 농축이다. 경수로
원료는 3~4%로 농축된 저농축 우라늄이고, 70% 이상으로 농축한 고농축 우라늄은 핵무기의 원료이다. 플루토늄은 우라늄
238의 중성자 포획으로 생성된다. 우라늄 238은 천연 우라늄의 99.3%를 차지하는 물질인데 비핵분열성이다. 통상 원자로의
연료가 되는 것은 우라늄 235인데, 이것은 천연 상태로 0.7%밖에 포함돼 있지 않아서 이용하기 어렵다. 원자로에서 우라늄을
태우면 우라늄 238의 일부는 원자로 안의 중성자를 획득해서 플루토늄 239(엄밀히 말하면 우라늄 239, 넵투늄 239를
경유)로 변한다.
플루토늄의 위험성=
플루토늄 239를 비롯해 플루토늄 동위체의 대부분은 알파선을 내는 방사체이다. 플루토늄 239에서 나오는 고에너지의 이 알파선은
통과 도중에 주변의 물질과 강한 상호작용을 일으켜서 화학결합(특히 인체의 경우는 유전자)을 손상시킨다. 플루토늄이 인체 밖에
있을 때는 큰 문제가 안 되지만, 일단 인간의 몸 안으로 들어오면 큰 문제가 생긴다. 극히 소량으로도 암이나 유전적 장애를
불러일으키기 때문이다. 몸안에 들어간 플루토늄은 폐·간·뼈에 오래 머물면서 암의 원인이 된다. 플루토늄의 흡입 독성은 불과
1억분의 2.8g이라는 눈에 보이지도 않을 정도의 양이 섭취 한도다.
원자력 기술과 핵무기 개발 사이의 상관관계=
원자력 기술이 발전하면 핵무기를 만들 수 있는 인프라가 구축되는데, 그 가운데서도 농축과 재처리는 핵기술의 중핵이다. 기술과
자본이 집약된 첨단 분야다. 농축공장에서 생성되는 소량의 우라늄으로는 핵무기를 직접 만들 수 있고, 재처리 공장에서 만드는
플루토늄 역시 핵무기의 재료가 된다. 사용후 핵연료의 재처리란 핵발전소에서 쓰고 난 우라늄 핵연료에서 핵분열을 일으키는 우라늄
235와 플루토늄 239를 회수해 재활용하는 것으로 고도의 기술이 필요하다. 일본은 비핵무기 보유국으로서는 유일하게 재처리
시설을 가지고 있다. 재처리 과정을 보면 먼저 원자로에서 꺼낸 사용후 핵연료를 절단기로 3cm 정도의 크기로 자른 다음
화학처리(질산에 녹임)를 하면 우라늄 235·238과 플루토늄, 핵분열 생성물질이 나온다. 회수된 우라늄 235는 천연 우라늄
속에 포함된 0.7%보다 많은 1% 안팎이 된다. 이를 다시 3% 수준으로 농축하면 경수로 연료로 재활용할 수 있다. 이
플루토늄을 재처리한 뒤 발생한 우라늄 238과 섞으면 ‘목스’(MOX)가 되는데 일본은 이를 다시 경수로에 씀으로써 쌓이는
플루토늄을 소비할 수 있다고 주장하고 있다.
“핵 확산의 악순환 시작된다”
일본이 “나쁜 짓 절대 않겠다” 주장해도 다른 나라들의 핵무장 일으킬 것
다구보 마사후미는 전 일본 원수폭금지국민회의 선임연구원이며 웹사이트 ‘핵정보’에서 일하고 있다. 그는 로카쇼무라 문제로 한국을
방문해 한국의 시민사회와 대화를 나누기도 했다. 도쿄에서 이뤄진 <한겨레21>과의 인터뷰에서 그는 “핵 확산 반대의
입장에서 이 문제를 다뤄야 하며, 재처리가 이 시점에서 왜 필요한지를 추궁해야 한다”면서 “한국의 보수세력이 일본의 상황을
빌미로 한국의 핵 준비의 필요성을 주장하는 것도 같은 맥락에서 경계해야 한다”고 강조했다
사용후 핵연료 재처리 공장 가동계획이 어떻게 진행되고 있는가.
= 실제 사용후 핵연료를 재처리하는 이른바 ‘액티브 시험’의 재처리 공장 가동 시점은
원래 2005년 12월이었다가 다시 2006년 2월로 연기됐다. 아직 안전협정이 맺어지지 않았다. 안전협정의 체결 여부는 이르면
4, 5월 정도가 될 것으로 본다.
사용후 핵연료 재처리 공장의 가동 의미를 어떻게 봐야 하는가. 실제로 핵 확산 문제가 걷잡을 수 없는 상황으로 전개될 가능성도 있다고 보는가.
= 원자력 발전에서 나온 실제 사용후 핵연료를 재처리해서 핵폭탄의 재료로도 전용 가능한
플루토늄을 생산한다는 데 위험성이 있다. 그것도 이미 43t의 플루토늄을 가지고 있는 일본이 말이다. 이것은 지난해 5월에 열린
‘핵확산금지조약’(NPT) 재평가회의에서도 큰 문제가 되었다. 북한과 이란의 핵개발 의혹, 핵 관련 암시장의 거래 발각,
동시다발적 테러 발생 등 심각한 국제 사회의 이슈들을 통해 제기된 가능성들, 즉 우라늄농축 공장이나 재처리 공장을 가진 나라가
NPT에 가입한 채 비밀리에 핵무장할 가능성, 민생용이라면서 핵기술이나 핵물질을 손에 넣고 NPT를 탈퇴한 뒤 핵무장을 추진할
가능성, 테러리스트가 공장에서 고농축 우라늄이나 플루토늄을 훔쳐 핵무기를 만들 가능성, 이를 제3국에 팔아넘길 가능성이 우려된
것이다. 때문에 IAEA의 엘바라데이 사무국장은 재처리 시설 건설에 대한 5년간의 모라토리엄을 제창했으며, 유엔의 코피 아난
총장도 찬성한 사안이다.
무엇보다 로카쇼무라 공장이 가동되면, 다른 나라에서도 같은 시설을 건설 가동한다고 했을
때 막을 명분이 없다. 일본만이 예외가 되는 상황이 된다. 국제 사회가 핵 문제를 평화적으로 이끌어가기 위한 새 규칙을 만드는
것도 어려워진다.
한국에는 이를 환경적 위협에서뿐만이 아니라 군사적 위협의 측면에서 보는 시각도 상당히 존재한다.
= 북한에 그만두라 하고 한국도 그만둔 문제를 가지고 “왜 일본만은?”이라는 의문은
당연히 생긴다. 또 일본이 아무리 “나쁜 짓 절대 않겠다”고 주장해도 군사적인 의도, 핵무장 계획에 대한 의문이 생기는 건
당연하다. 일본이 ‘때’가 되면 만들어낼 수 있는 핵기술 능력을 보유하려고 노력하게 되면 다른 나라들 역시 일본을 경계하고
대비하기 위해 핵기술 능력을 보유하려고 노력하는 악순환을 낳게 된다.
그러므로 로카쇼무라 재처리 공장의 가동, 비가동의 문제는 단지 환경 문제가 아닌,
군사적 위협, 명확하게는 세계 핵 확산의 우려 입장에서 다뤄져야 마땅하다. 현 시점에서 과연 ‘재처리’가 필요한가를 추궁하면서
핵 확산 반대의 입장에서 저지해야 한다.
한국의 시민사회가 이 문제를 어떻게 대응해야 한다고 보는가.
= 남북 화해 무드, 한반도 비핵화 공동선언, 일본의 북한에 대한 핵 포기 주장이라는
흐름 속에서 지금 일본의 재처리 시설 가동은 한반도의 상황을 더욱 복잡하게 만들 것이다. 재처리 시설 가동은 일본이 나서서 핵
확산을 부추기고 국제적 긴장관계를 악화시키는 결과를 낳는다는 사실에 대해 핵 확산 방지의 입장에서 목소리를 높여 제기해야 한다.
단, 한국의 보수세력이 일본의 상황을 빌미 삼아 한국의 핵 준비의 필요성을 주장하는 것에 대해서도 같은 맥락에서 경계해야 한다

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